“#就活セクシズム”らしさ押しつけないで
きょうは、企業による採用面接の解禁日。「女性らしさ」「男性らしさ」を押しつけない就職活動への動きが広がっています。
■反対!“#就活セクシズム”
就活で、「服装や見た目の男女らしさを押しつけるのをやめて欲しい」。
就活で性別に基づく固定観念を押しつけるのは“就活セクシズム”だとして反対署名を集めている人たちがいます。団体「SSS(Smash Shukatsu Sexism)」代表の水野優望さん。
水野さんは学生時代に「男性」「女性」と当たり前のように区別される環境に性的少数者の当事者としても違和感を覚え、就活をやめた経験があるといいます。
「就活サイトや就活マニュアル本などには極端に男女で二元化して服装やマナーを押しつける“就活セクシズム”が潜んでいる」。
水野さんはこう指摘し、就活マニュアル本を50冊以上チェックしました。
その結果、身だしなみに触れている本のほとんどが、女性に対しては「スカートがおすすめ」「面接では女性らしさを表現した方が好印象を持たれる」。男性に対しては、「髪を染めずに絶対短髪」「男性は強く男らしく」などとジェンダーバイアスを押しつけるような書き方をしていたといいます。
水野さんは去年11月、“就活セクシズム”反対の署名活動を開始。第一弾として先月23日までに約1万5400筆が集まりました。大手就活サイトを運営する企業などに提出する準備を進めているということです。
■「多様性を認めない社会構造に問題がある」
水野さん自身も自分の性別を男性や女性、どちらにも当てはまらないと認識するなかで、就活で提示される服装やマナーなどに、違和感を覚えることもあり、就活を断念したといいます。
多様性が認められない社会に問題があると感じてからは同じ思いで悩む人のために声をあげたいと思いました。
「就活しないといけないという状況では、誰をうらんでいいのかわからないし、怒りのやり場がない。悔しかったが、客観的に見ると社会の構造に問題があることがわかった」。
水野さんはマニュアル本などに記載される服装や髪形のアドバイスについては「決めつけをせず、『あくまでもガイドラインであり、最終的にはあなたのジェンダー・アイデンティティに合わせてください』など選択肢が示されているだけでも当事者にとっては違う」といいます。
■履歴書の性別欄の記入を見直す動き
一方、企業側の採用活動では履歴書などの性別欄を見直す動きがでてきています。ユニリーバ・ジャパンでは去年から、履歴書での申し込みの段階で、下の名前や性別、顔写真を不要にしています。
ラックス ブランドマネージャーの河田瑶子さんは「履歴書で見るべきポイントは本当は個人の適性や能力であって、(目的は)ジェンダーのバイアスに気づきを与えたり、バイアスを取り除くことを具体的にしていくことです」と答えました。
また、三井化学は就活生が登録する性別について、「男性」「女性」のほかに「その他」という項目を加えました。服装についても、リクルートスーツにはこだわらず、私服でも良いとしているといいます。
画像:SSS提供