職場がビニールハウスに?クラスター原因は
国立大学法人電気通信大学・石垣陽特任准教授らのチームは、実際にクラスターが発生した宮城県のオフィスに注目。
このオフィスでは飛沫(ひまつ)を防ごうと考えたのか、床からの高さが1.6メートルのビニールシートで向かい合う席を区切っていて、職場の人たちは、これなら大丈夫という安心感があったそうです。
ところが、ビニールシートは横の隙間がなく、まるで“ビニールハウスのように”しっかりとオフィスが区切られていました。そのため、結果的に「5つのエリア」ができてしまい、このうち2つのエリアで複数の感染(=クラスター)が発生してしまったということです。
■パーティションが逆効果に…大事なのは「空気の流れ」
オフィス内に細長いエリアができ、冬の寒さのため窓を閉めたまま換気もできない…そんな状態で仕事すると何が起きるのか、研究チームはある実験を行いました。
新型コロナウイルスの感染源の一つと言われる「マイクロ飛沫」と同じような特殊な煙を使い、空気中に比較的長く漂う小さな飛沫を再現。
すると、ビニールシートで区切ってしまったことによって、煙がその場にたまり空気が入れ替わっていない部分ができます。空気の流れが止まり、中に人がいればウイルスを吸い込みやすい状況になることがわかりました。
やはり、問題だったのはパーティションの置き方です。クラスターが起きた場所では、天井との隙間が80センチくらいしかなく、横も隙間なくびっしり区切られていました。
研究チームによりますと、パーティションの高さは、高ければ高いほどいいというわけではなく、大体イスに座った状態で「頭くらいの高さ」までで十分だということです。さらに、びっしり並べずに適度に隙間を作るのも大事です。
パーティションで直接、飛沫を抑えるのもいいですが、空気の流れが悪くなれば「マイクロ飛沫」による感染の危険が高まるということです。
最も大事なのは「換気」です。これから、夏の暑い季節が来ますが、冷房をつけていても「30分に1回は窓を数分間、全開にする」「送風機や扇風機を使って外に空気を押し出す」ことも大事です。
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変異ウイルスは、空気中に漂う飛沫のウイルス量が多いという話もあります。今年の夏は、去年よりもさらにしっかりと小まめな換気の徹底が求められます。
(2021年6月1日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)