メンタルヘルスは“じぶんごと”ポイントは
大坂なおみ選手が“うつ”を告白したことで注目されるトップアスリートのメンタルヘルス。ラグビーのトップリーグ選手の調査に携わった専門家は「メンタルヘルスはひとごとじゃなくじぶんごと」といいます。2つの大事なポイントとは…。
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■ラグビー・トップリーグ選手“4割以上が不調を経験”
有働キャスター
「大坂なおみ選手が“うつ”を告白したことで注目されるトップアスリートのメンタルヘルスですが、『4割以上が不調を経験した』こんな調査結果があるんです」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「ラグビーのトップリーグの選手251人に行った調査で、メンタルの不調を経験した人は合わせて42.2%。中でも10人に1人が『うつ・不安障害の疑い』の状態でした」
有働キャスター
「ラグビー選手って屈強だし、精神的にも強いんじゃないか…そういうイメージを持ちがちですけれども」
小栗解説委員
「調査に携わった国立精神・神経医療研究センターの小塩靖崇研究代表者は、「強くなければならないという社会からの期待、選手自身も強くなくてはと、心の叫びをさらすことが苦手なようです」と話していらっしゃいました」
「この調査の直後に自分もそうだったと告白したのが、堀江翔太選手です。かつて日本代表や所属チームでキャプテンをしていた当時について、「ラグビーをやめたいと思った」「あん時はメンタルだいぶやられてたなーて思う。内心チームメートの、練習中の笑顔が腹立ってた。笑」などと振り返っていらっしゃるんですね」
有働キャスター
「あの堀江さんがかあ…という風にも思いましたが。廣瀬さんも日本代表でキャプテン務めてましたけど、実際、どうでしたか?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「僕の場合は『やめたい』っていうのはなかったですけど、やはり「キャプテン」として、チームメートに頼りないって思われるのが怖くて、思ったこと言えなかったり。結果が出ない時に、必要以上に自分を追い詰めたりとか、あとは狭いところが苦手になったというのがありましたね」
■メンタルヘルスの大事なポイントとは
小栗解説委員
「小塩さんは『メンタルヘルスというのはひとごとじゃなく、じぶんごとなんだ』と、そして『自分や家族、友人、大切な人、誰もが経験するもの』だと言っています」
有働キャスター
「確かにアスリートだけじゃなくて、私たち一般社会にも当てはまりますけど、じゃあ、どうすればいいのかというと…」
小栗解説委員
「小塩さんは大事なポイント2つあげていて」
「1つめは『伝えてみよう』なんです。不安な気持ちに気づいたら、声でも文字でもいいから、言葉にして伝えてみること」
「2つめは『耳を傾けよう』です。相談を受けたら判断したり、否定したりしないで、聴いてみることだということです」
有働キャスター
「とはいえ、不安だったり、弱い気持ちというのを仲間に伝えるというのは、ある部分では難しいとは思うんですが、廣瀬さんは、実際に、どのように伝えられてましたか?」
廣瀬さん
「身近に前の代表のキャプテンがいてくれたのが大きかったですね。同じような立場だったので、伝えることや、逆に耳を傾けることもできたんじゃないかと思います。あとは、スポーツ心理学の専門家が話を聞いてくれたので、もう一度頑張ろうって気持ちになりましたし、その進め方がですね、面と向かってやるだけじゃなくて、練習後に散歩しながらとか、コーヒーを飲みながらとか重くなりすぎずに、話しやすい環境を作ってくれたのも大きかったんじゃないかと思いますね」
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有働キャスター
「私自身、追い込まれて知らないうちに、円形脱毛症になったりしたことが数度あるんですけれども、周りにいる人が、他人のメンタルのことをどうこう言わないというのがすごい大事だと思っていて、他人にわかるわけないので。あくまで「耳を傾ける」、誰かの「うん、うん」が、誰かを救う優しい世界であるといいな、と思います」
(6月3日『news zero』より)