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NYへ「ワクチン接種」ツアー 課題も

2021年6月9日 10:03

一般への新型コロナウイルスワクチンの接種時期が見通せない中、渡航中止勧告の出ているアメリカ・ニューヨークに渡り、現地で接種するツアーや個人客が相次いでいます。政府は補償の対象外になることや、接種証明で問題が発生する可能性を示しています。


■1日20人…NYで「ツアー」参加

アメリカ・ニューヨークのホテルの前で、到着したばかりの日本人観光客が集まっていました。現地の旅行代理店が実施する、新型コロナウイルスワクチンの「接種ツアー」参加者です。代理店が「ここから5分くらい歩いた所に接種会場がありますから」と案内し、会場へ移動しました。

ヨーロッパへの出張を控えた男性や、親子連れなど4人が参加しました。ある男性(56)は「いつ自分の番が回ってくるか分からないので、打てるならさっさと打とうかと思いまして」と言います。コロナで観光関連の仕事が激減し、空いた時間で参加しました。

接種会場に入り、ワクチンを接種。1時間ほどで終了します。ツアーではホテルから会場までの付き添いや、書類の記入などをサポートし、費用は1人約1万6000円(渡航・宿泊費別)。40~50代の男性経営者が多く、平均で1日20人ほどが参加しているといいます。

ニューヨークでは今、接種会場によっては海外からの観光客にも無料でワクチン接種を認めるケースがあります。現地の旅行代理店は「非常に(ワクチン接種が)日本は遅いので。できるだけ手伝うじゃないですけど、私にできることをやりたいなと(考えました)」と話します。

■「不安よりも…」個人でも接種

一方、ツアーではなく個人で来る人もいます。

ニューヨークに滞在する男性(35)に、接種スタッフが「打ちますよ」と注射すると、男性は「めっちゃ痛い」と言い、スタッフは「おめでとうございます!」と告げました。

男性
「ワクチンを打ちに来たのがメインの目的ではあります。われわれの年代がワクチンを打つというのが、年内に打てるのかっていう話になってきていると思うので」

男性が接種したのは、日本では未承認の「ジョンソン・エンド・ジョンソン」のワクチンでした。男性は「不安よりも、今は自分自身がこういうワクチンを打つっていうことに対して、もう1回みんなと会える状態になる。そっちに対してリスクを取る」と言います。

■「渡航中止勧告」の中…課題も

外務省がアメリカ全土を「渡航中止勧告」の対象とする中、日本で承認されていないワクチンの接種がされています。

海外でのワクチン接種について、河野ワクチン担当相は8日の会見で、「国内の予防接種法に基づく補償の対象外になるのではないか。海外で打ったものは予防接種台帳の扱いがどうなるのかというのが、ちょっと正直、よく分かりませんが…」と述べました。

今後、国内で接種済みを証明する「ワクチンパスポート」が発行される場合に問題が生じる可能性を示唆しました。河野大臣は「個人の自由なんだろうと思いますが、課題があるということだけは認識をしておいていただかないといかんかなと思います」と指摘しました。

(6月8日『news zero』より)

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