タクシーの車内をとらえたドライブレコーダーの映像。

運転手
「はい、お母さん、どうもです」

５月２５日、福島県でタクシーに乗ってきたのは８０代の女性。すると、こう切り出します。

女性
「（孫が）なんか荷物を落としちゃったんだって。今日送金しないといけなくて、３００万円とかの送金カードがないんだって」

女性は、孫が３００万円を必要としているので、ＡＴＭに向かってほしいと告げたということです。

その様子を運転手の折笠さんが振り返ります。

タクシー運転手　折笠浩二さん
「お孫さんが大阪にいるらしいんですよ。わざわざこっちの方に取りにくるのかなって考えまして。これはひょっとして詐欺じゃないかと思いました」

ドライブレコーダーにはその時のやりとりがありました。

運転手
「本当に間違いないのかよ？」

女性
「（孫に）間違いない。声がそうだもん」

運転手
「それ大丈夫かよ？オレオレ詐欺じゃねえべな？」

折笠さんは詐欺を疑いつつも、ＡＴＭがあるスーパーに到着。女性はそこで５０万円を引き出したといいます。

タクシー運転手　折笠浩二さん
「おろしたあとは本気で説得しましたね」

その後、折笠さんの必死の説得で、女性は家族や警察に相談。被害にあわずに済んだといいます。

タクシー運転手　折笠浩二さん
「（詐欺を防いで）うれしかったですね。よかったと思います」

折笠さんの対応が評価され、警察から感謝状が贈られたということです。