“日本最大級”1日1万個売れるベーカリー
長く続くコロナ禍の生活ですが、「パン」の人気が続いています。「食パン」の専門店が次々と登場していますが、そこには、コロナ禍ならではの工夫がありました。
都内の百貨店で今週から開催されているのは、「食パン」に卵と牛乳をたっぷりと染みこませたアツアツのフレンチトーストなどが味わえる「パン祭り」。人気のベーカリーおよそ30店が出店しています。
その中には、フランスパンの間に、エビチリとパクチーをはさんだベトナムのサンドイッチ「バインミー」に、生クリームたっぷり、ふんわり食感のイタリアの「マリトッツォ」など、世界各国のパンや、日本各地の珍しい「ご当地パン」もあります。
コンセプトは――
東武百貨店池袋本店 催事部・深井英孝統括マネジャー
「旅行とかに行けない方々に向けて、コロナ禍において“旅行気分を味わえる”」
世界と日本各地のパンを食べて、少しでも旅行気分を味わってほしいと話します。
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“コロナ禍”をパンで乗り切ろうと奮闘する動きも出てきています。
神奈川県横浜市にある、いわゆる“町のパン屋さん”。店主が朝から黙々とパンを焼き続ける中、お店のパンを車の荷台に載せ、そのまま走り去っていきました。向かった先は、市内の百貨店内に今年3月オープンし、1日1万個のパンが売れるという“日本最大級”のベーカリーです。500種類以上のパンが並んでいます。
実はこの百貨店では、地元のお店のパンを集荷し、日替わりで販売しているのです。
横浜高島屋・加納淳平さん
「コロナ禍や後継者問題がありまして、廃業せざるを得ないパン屋さんが多くございました。そういうパン屋さんを元気づけようということで」
商品を置いてもらう“パン屋”にとっても――
ブーランジェリー トレフール・笠間智裕さん
「僕1人でつくって焼き上げて、車で持って行くのは不可能なので、とても感謝しています」
“お互いがんばろう”そんな思いがこの売り場に込められています。
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一方、その「横浜」では――
記者
「こちらに食パン専門店があります」
その数百メートル先にも…。
記者
「あちらにも食パン専門店があります」
“世はまさに高級食パン戦国時代”。ここ1年の間に、新店舗が続々とオープンする中、“異業種”からの参入も。
「回転寿司チェーン」などを展開する会社が、先月、埼玉県内にオープンした食パン専門店です。こだわりの食パンは、大量のバターを鍋の中でぐつぐつと溶かした“焦がしバター”をたっぷりと使います。さらに、岩塩をふることで、食パンの味わいに深みが出るといいます。
オープンのきっかけは――
RDCマーケティング部・森下剛聖係長
「コロナ禍において、店内飲食である(併設の)カフェの売り上げに影響」
コロナ禍でカフェの売り上げが落ちる中、食パン専門店を併設することで相乗効果を狙ったということです。
混雑緩和のため、予約販売のみですが、4日先まで予約は埋まっているということです。