クマの被害 逆境乗り越えた白ワインの名は
未明の監視カメラに映っていたのはクマの姿でした。網を手で器用に押さえつけ、体重をかけて乗り越えました。さらにその後は、高さ2メートルほどのフェンスをよじ登っています。クマが去った後の畑はさんたんたる状況でした。
ブドウ畑の管理責任者「シュロン・ブルガーという品種なんですが、非常ににおいが強い品種なので、やはりどうしてもこういう品種は被害を受ける」
被害を受けたのは2週間後に収穫する予定だった白ワイン用のブドウで、数十万円の損害となりました。しかし、あれからおよそ8か月。あのブドウ畑が発売したのは。
サンマモルワイナリー製造部・寺沢文也次長「こちらが下北ワイン『デンジャー』になります」
あのクマをモデルにしたワイン、その名も「デンジャー」。クマが食べたブドウと同じ品種が使われています。
寺沢文也次長「ラベルのモデルになっていただいて、当社に貢献してほしいと」
逆境を逆手にとったこの戦略。味わいにもこだわりが。
寺沢文也次長「クマが喜ぶような甘口ワインに仕上げております」
一方、ブドウ畑の現場では。
圃場管理部・築舘文徳部長「いろんな発想から(商品が)出たんだろうが複雑な思いでして、正直複雑です」
現場では、二度とクマを畑に侵入させまいと、クマが近づかないような対策を引き続きとっていくということです。