【#みんなのギモン】夏に多発の雷…家の中でもリスクが 「誘導雷」や「感電」を避けるには
8月は1年で最も雷が多い時期。屋内に逃げるよう呼びかけられていますが、家の中にいれば絶対安心とも言えません。落雷時に建物の中に入り込んでくる怖い雷があるからです。さらに、家の中で感電するリスクも…。(報道局 調査報道班 小野高弘)
■家電襲う「誘導雷」「逆流雷」…パソコンのデータも
コンセントが焦げた写真。
これは石川県のラジオ局の中継基地の建物内です。コンセントには無線機がつながっていました。
もうひとつの写真は、富山県のホテルのエアコンの中の基盤で、焼け焦げています。いずれも「犯人」は雷です。
近くに落ちた雷が建物内に侵入し、コンセントや基盤でスパークを起こしたのです。
これが「誘導雷」「逆流雷」です。
■「誘導雷」「逆流雷」とは?
「誘導雷」は、家の近くに落ちた雷により、高所にある電線などに瞬間的に過剰な電圧、電流(過電圧、過電流)が生じ、それが電源線や電話回線、インターネット回線、アンテナなどを通って家の中に侵入するものです。
雷の直撃に比べるとはるかに小さなものとはいえ、通常100ボルトの家電に、少なくとも1500ボルト以上の負荷がかかり、機器類に大きなダメージを与えます。
「逆流雷」は、家に落雷があった場合に避雷針などから地面に流れた電流が、地面と接したものを通して別の家に逆流して入り込むものです。
■家中を走り回り家電を破壊
雷対策専門のメーカー・音羽電機工業の担当者に聞きました。
「誘導雷、逆流雷は流れやすい場所を見つけて家中を走り回り、家電を壊していきます。特にパソコン本体やモデムなど、電源ケーブルとLANケーブルの両方がつながっている場合は電流が走り抜けやすく、パソコンが損傷してデータが失われる被害もあります」
「テレビも同じで、過電流がアンテナ線から入り電源ケーブルへと抜ける間に基板が破壊されることがあります」
「エアコンは室外機とつながっているので、電源ケーブルから入った過電流がエアコン本体を走り抜けて室外機へ、そして地面へと流れる可能性があります。その場合も故障につながります」
■気づかないうちに損傷 対策は?
「誘導雷」は、数キロ先の落雷からでも被害を受け、何度でも侵入してくる可能性があるとされています。
また外観は問題がなくても中の部品が損傷し、最初はただの故障だと思ってしまうことが多く、「エアコンが動かなくなった」「インターネットが繋がらない」・・・そういえば昨夜、雷が鳴っていたということがあるといいます。
では、どのように対策すればいいのでしょうか?
家電は電源を切っても意味はなく、最も確実な方法は、家電製品の電源コードやネット回線のケーブル、テレビのアンテナを抜いておくことです。
ただ、雷が鳴ったからといってこれらを抜くのは大変です。そこで、過電流を逃がす「避雷器」を設置する手段もあります。
■家の中で人が感電するリスクも
雷の時、家の中にいれば基本的には安全ですが、誘導雷とは別にもし家を雷が直撃した場合は家電に被害があるだけでなく、人も感電するリスクがあるといいます。
雷の高電圧が家の中の金属部分を流れるため、窓のサッシや水道管などに触れたりすぐ近くにいたりすると感電する恐れがあるのです。
雷の音が近づいてきたら、万が一のことを考え、金属部分や水回りには触れず、そうした金属部分から1メートルは離れていたほうが安心です。
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