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コロナ禍の夏“軽い”熱中症増加か…対策は

2021年7月12日 18:41
コロナ禍の夏“軽い”熱中症増加か…対策は

12日も暑くなり、東京は午前中から30℃を超え、真夏日となりました。新型コロナウイルスの感染防止で外出自粛が長く続いていることなどから、専門家は「今年は熱中症が増えるだろう」と懸念しています。対策などを詳しく説明します。

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■宣言中とはいえ外出も…気をつけたい熱中症

12日から東京では、4度目の緊急事態宣言の期間に入りました。期限はオリンピック、お盆、夏休み期間なども含めた来月22日までの6週間です。本当にこれで最後の緊急事態宣言にしたいですが、4度目ともなると“宣言慣れ”もあります。

宣言直前の11日午後3時台、都内の人出は1週間前と比べて、浅草駅では-9.8%と減少している一方、渋谷駅では+11.7%、新宿駅では+14.1%、秋葉原駅では+23.9%と、データが公開されている22地点のうち16地点で増加していました。

人出の増加に伴い、新規感染者も増加傾向です。11日、東京では新たに614人の感染が確認されました。前の週の同じ曜日の4日と比べ96人増加し、22日連続で前週の同じ曜日を上回っています。

宣言中とはいえ、買い物や通院などで、やむを得ず外出する場合もあります。そうしたときに気をつけて欲しいのが、「熱中症」です。

12日もとても暑く、東京都心の気温は午前中から30℃を超え、3日連続の真夏日となりました。今はマスクをつけているので、体感温度はより高くなっています。

東京・杉並区では、小学生が熱中症とみられる症状で救急搬送されました。警視庁などによりますと、12日午前11時すぎ、農業体験の授業のため畑を訪れていた小学3年の児童9人が、体調不良を訴えました。児童9人は熱中症の疑いがあり病院に搬送されましたが、いずれも症状は軽いということです。

このほか東京消防庁管内では、12日は午後1時時点で14人が熱中症の疑いで搬送されたということです。

■コロナ禍2年目の夏“軽い熱中症”増加か…

済生会横浜市東部病院・谷口英喜医師は「今年は軽い熱中症が増えるだろう。この1週間で増える可能性がある」と警戒しています。その理由は3つあるといいます。

1. 急に暑くなって、体がついていけないこと

2. コロナ禍が2年目突入し、長引く自粛生活で筋肉が衰えていること
→谷口医師によると、筋肉は体の水分を蓄える器官なので、筋肉が減ると脱水症、熱中症にかかりやすくなる人も多いということです。

3. 自粛疲れ、コロナ慣れで昨年よりも外出する人が増えるであろうこと

熱中症は、体のなかの3つの臓器に、次のような初期症状が出やすいということです。

1. 消化器
→下痢・嘔吐・腹痛

2. 脳
→頭がボーッとする・眠くなる・頭痛

3. 筋肉
→痛くなる・力が入りにくくなる

こうした症状が1つだけではなくて、複数組み合わさると熱中症の初期症状を疑って欲しいといいます。この3つは水分量が多い臓器で、脱水の症状が出やすいから、ということです。

■外出時に「トル」3つのものは?

厚生労働省のホームページでは、熱中症に対する企業の取り組みで良いものを紹介しており、参考になるものです。

建設業で実践されてる熱中症対策は、「休憩中にバナナを食べること」です。もう1つポイントがあり「バナナに塩を振ること」です。塩分と同時にバナナのエネルギーの補給をできるということで、こうした「塩バナナ」を用意して、食べるよう指導しているということです。

この対策ですが、あくまで建設業など暑い場所で肉体労働をされる方向けということで、先ほどの谷口医師は、「一般の方はここまで塩分を摂取する必要はない」といいます。シャツを着替えないといけないぐらい、汗をびっしょりかく人には、この「塩バナナ」はいいアイディアだということです。

紹介された企業では「塩バナナ」だけでなく、30分に1回、コップ1杯程度の水やスポーツドリンクなどを飲むなど、定期的な水分補給も行っているということです。塩分は水分と一緒にとる方が吸収されやすくなるので、スポーツなどを行う際には使える可能性があります。

もう1つの対策例は、トイレの壁に「尿の色で脱水症状チェック」できる貼り紙をしていることです。熱中症は、脱水症状が進み起こりますが、尿の色が濃くなるほど脱水が進んでいるので、トイレに行ったと同時に、今の自分の状態をセルフチェックでき、さらに具体的にとるべき水分量も分かる点がいいと評価されました。

外出時について、次の「3つのトル」をおぼえることが大切です

1. 周囲の人と2メートル以上の距離をトル

2. 2メートル以上離れてマスクをトル

3. 水分をトル

もしこれでも具合が悪くなれば、先ほどの谷口医師は、加えて「休憩をトル」とアドバイスしています。

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「熱中症は100%予防できる」と専門家は言っています。周囲の人と声を掛け合って予防することが大切です。

(2021年7月12日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)