開会式で歌舞伎披露 海老蔵が舞台裏語る
23日のオリンピック開会式で歌舞伎を披露した市川海老蔵さんがパフォーマンスにこめた思いや、開会式への出演は妻・麻央さんの願いだったことを明かしました。
■「当日まで本当にあるのかな…」複雑な心境
インタビューに答える市川海老蔵さん(24日午前)
「当日まで本当にあるのかなっていう。やっぱりその前日までいろいろなことがございましたんで、僕も非常にこう、複雑な心境で…」と、直前までの揺れる心境を語った海老蔵さん。
開会式で演じたのは、歌舞伎十八番のひとつ、「暫(しばらく)」。普段の歌舞伎の舞台との違いについては……。
「『(舞台で)目の前にお客さんがいる』状況と『一発勝負でお客様が誰も目の前にいないのに、テレビカメラの前には10億人から何十億人の人が見ている』というシチュエーションが異なりますので。おそらく全然違ったことをしたんだと思います。市川團十郎家には無病息災、邪気を払うという行為がありますから、そういうことに意識を集中させて演じたいな、と」
■ジャズピアノ上原ひろみさんと異色コラボの舞台裏
見る人を驚かせた、世界的ジャズピアニストの上原ひろみさんとの異色のコラボレーション。初めての共演でしたが、意外にもスムーズに進んだといいます。
「僕はオペラ歌手の方とか様々なコラボレーションをしているんで、比較的、抵抗がなかった。個人的にはすごく好きなピアノの演奏と音でしたから。全部、音を覚えちゃいましたよ。2回ぐらい聞いたら全部覚えられた。我々は三味線とか、長唄とか、義太夫とかだと覚えてるんで、全部わかる。でも、すごくわかりやすい音楽だったんで、覚えたら(きっかけが)どこだ、というのはわかっていました」
■子供は家で…開会式出演は「麻央さんの願い」
「『約束を果たしたよ』というような会話をしました」
家に帰ると、大喜びだったという長女・ぼたんさんと長男・勸玄さん。そして開会式への出演は、誰よりも妻・麻央さんの強い願いだったと明かしました。
「(文化・教育委員としてオリンピックに関わり始めたのが)5,6年前ですから、麻央が生きていて。麻央が『なんとか、あなたに開会式出てほしい。家族全員で見に行きたい。世界にあなたを見てほしい』という強い気持ちがあって」
「昨日は家に帰って、子供たちが起きていてくれたんで、そのあとすぐ麻央のところに行って、『約束を果たしたよ』というような会話を(麻央と)しました。たぶん、喜んでくれたと思うんです。でも、ダメって言うでしょうね。『もっと』だと。彼女が描いてる僕像は、今の僕も一応、頑張ってるはずなんですけど、もうちょっと上を望んでいたんで」
「だからすごく喜んでくれるし、迎えてくれるし、大切にしてくれてたと思うけども…『さあ、これからじゃない』っていうことなのかもしれないな」