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【解説】デルタ株感染力 1人から9人に?

2021年8月2日 17:24
【解説】デルタ株感染力 1人から9人に?

2日から緊急事態宣言の対象地域が拡大されました。これまでにない新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、デルタ株の感染力の強さを示すデータが明らかになりました。

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■都内の自宅療養者急増 過去最多に

まずは最新の感染状況です。東京では1日、新たに3058人の感染が確認されました。3000人を超えるのは5日連続。先月31日には、初めて4000人を超えました。

そして、都内の重症者は101人となりました。100人を超えるのは2月14日以来で、この1か月でみると2倍にまで増えています。一方で自宅療養者も急増していて、1万1018人と過去最多となりました。

医療現場の負担、自宅療養者をフォローする保健所の負担が増加する中で、都の担当者は「こういった状況がいつ収まるのか予測できない」と危機感を募らせています。

■都内の人出 繁華街は減少も行楽地は増加

そして、夏休みシーズンで街の人出がどうなっているか。都内の1日午後3時台の人出です。

1週間前と比べて、渋谷センター街でマイナス21.7%など、データが公開されている22地点のうち、16地点で減少していました。一方、お台場でプラス17.8%、神奈川・江の島でプラス65.8%と行楽地で増加している状況です。

専門家からは「危機感が伝わりにくい状況だ」という指摘がありますが、感染状況はどんどん深刻化しているのが現実です。

1日は全国で新たに1万176人の感染が確認され、4日連続で1万人を上回っています。そして、5人の方が亡くなりました。

2日から緊急事態宣言の対象となった地域をみていくと、神奈川は1258人、埼玉は899人と日曜日としては過去最多の人数となりました。千葉は3日連続で700人台、大阪は890人でした。

■全国知事会 都道府県境をまたぐ移動、原則『中止か延期』を

深刻な状況が続く中、1日開かれた全国知事会で知事らは危機感をあらわにしました。

大阪・吉村知事「デルタ株の感染拡大力は非常に強い、非常に危機的な状況」

神奈川・黒岩知事「医療崩壊が直前に迫っている」

全国知事会では、国に対する緊急提言が取りまとめられました。

提言では、お盆の帰省を含め、夏休み中の都道府県境をまたぐ移動は原則中止か延期にするよう、国民に対し強く呼びかけるよう求めています。

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されている地域に限った話ではなく、すべての都道府県に対してです。

ただ、特に感染が拡大している地域からそうでない地域に感染を広げることは避けなければなりません。

■『デルタ株』 水ぼうそうに匹敵の強い感染力か

東京都の小池知事は1日、都民に対して改めて感染対策の徹底を求めたうえで、「いつかかってもおかしくない。若くても重症化するぐらいの威力を持った『デルタ株』を相手に我々は今、闘っている」「デルタ株は非常に強敵なんだという認識を共有したい」と話していました。

このデルタ株が、いかに脅威かを示すデータが明らかになりました。アメリカのCDC(=疾病対策センター)の報告書です。

1人の感染者から何人に感染を広げるか。

通常の風邪は『2人』。季節性インフルエンザは『1人強』。そして、新型コロナウイルスの従来株は『1.5人~3.5人』とされています。しかし、デルタ株では『5人~9.5人』という結果でした。

身近なところでいうと、極めて感染力が強い水ぼうそうが『8人強』なので、水ぼうそうに匹敵するということです。

さらに、デルタ株の場合「ワクチン接種を終えた人でも、接種をしていない人と同じように感染を広げる可能性がある」という報告もありました。

ワクチン接種により、重症化するリスクは10分の1に減るということですが、ただ、感染するリスクは3分の1程度にとどまるという結果だったんです。

つまり、ワクチン接種は感染自体の予防としてはそこまで効果がない可能性があるというんです。とはいえ、3分の1にまでは抑えられる、ということもおさえておきたいです。

■ワクチン接種も“感染広げるリスク”高い

さらに、感染を広げるリスクについて。

ワクチン接種した後に感染した場合と、接種していない状態で感染した場合を比べた時に、体内に保有するウイルス量は『同じ程度』ということも明らかになりました。つまり、ワクチンを接種しても感染を広げるリスクが高いということです。

CDCは「ウイルスとの戦いが変化したと認識すべき」としています。

ワクチンの効果はありますが、接種したあともマスクなどの感染対策を続けることが重要だということです。

都の担当者は「いままで以上に、どこで感染するかわからないぐらい市中に感染が広まっていることを認識してほしい」と話していました。

ひとりひとりが、この危機的状況を自分事だととらえて、この夏を過ごすことが収束へのカギとなります。

2021年8月2日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より