住宅に防護服…個人宅“除菌”依頼が急増か
12日、全国の新型コロナウイルスの新たな感染者は1万7000人を超えて過去最多となり、拡大に歯止めがかかりません。東京都でも新規感染者が5000人に迫る中、今、自宅の除菌作業を依頼する人が急増しています。
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12日、江の島に近い海水浴場は、多くの家族連れや子供でにぎわっていました。
神奈川県内の海水浴場は、今年、コロナの影響で次々と休場になりました。唯一開いている藤沢市の海水浴場には、観光客が集まっていましたが─。
観光客
「しょうがないっちゃしょうがないのかな、コロナだからね。閉鎖されるほどやばいのかなとは思う」
県内の感染状況を鑑みて、15日を最後に休場が決まったのです。市は引き続きビーチの安全管理は行いますが、遊泳を推奨しない考えです。
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一方、お盆の沖縄はかなり閑散とした様子でした。12日の感染者は732人で先週の過去最多を84人上回りました。
今月開設した民間のPCR検査センターには、11日、過去最多の160人が訪れたといいます。
PCR検査を受けた人
「職場で陽性が1人出て、職場からPCR検査受けるようにと」
検査目的のほとんどは仕事や職場関連だということです。
沖縄は、コロナ患者の病床利用率が8割を超え、医師や看護師が不足しています。12日、自衛隊に災害派遣要請を行いました。
また、医療のひっ迫が懸念されている東京都は─。
国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師
「制御が不能な状況であります。自分の身は自分で守る。感染予防の行動が必要な段階です」
12日の感染者は、過去2番目の多さとなる4989人でした。
小池都知事
「人流を5割削減。スーパーにいらっしゃってるのを、3日に1回程度に減らす」
12日午後5時15分現在、全国で確認された新型コロナウイルスの感染者は1万7196人と、2日続けて過去最多を更新しました。
感染の急激な拡大に歯止めをかかるため、尾身会長は、今後2週間、集中的な対策の強化を求める新たな提言を示しました。
政府分科会・尾身会長
「今回は人流を(7月前半の)緊急事態始まる前のこのレベルよりも半分に減らしたい」
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深刻化する医療のひっ迫で病院に患者を搬送する、民間の救急車では、搬送するほとんどが自宅で療養する患者です。
看護師
「苦しい?」
自宅療養者(20代)
「苦しい せきがすごくて」
自宅療養者の20代の女性も、自宅で療養中に症状が悪化しました。何度も何度も苦しそうに咳き込んでいました。10日から病院を探していて、12日、ようやく搬送されることになりました。自宅から車で40分ほどかかる遠い病院へと搬送されました。
2週間ほど前から搬送件数が急激に増え、その7割以上は、20代から40代と若い世代です。搬送中に容体が急変する患者もいるといいます。
民間救急フィール・齊藤学代表
「もう歩けないくらいの状態になっているという時も多々ありますので、やはり感染の拡大、重症化というのも、かなり早いのかなと感じています」
自宅療養者は急増し、東京都では、1万9000人以上にのぼり、1か月前のおよそ12倍になっています。自宅で療養する感染者をどうサポートするのか…。
今、医師が自宅で診察するケースが急増しています。ベッドに横たわった30代の男性に。
医師
「SOS出さなかったの?」
自宅療養者(30代)
「昼間は大丈夫だったので」
1週間ほど前に発症しましたが、症状が悪化し、呼吸がうまくできなくなったといいます。
医師
「症状から言えば、中等症から重症に入ります」
診断の結果、肺炎の疑いがあり、危険な状態のため、入院が必要と判断されました。まる1日たった12日、ようやく入院できたといいます。
新宿ヒロクリニック・英裕雄院長
「段々(自宅療養者の)重症度が高くなっています」
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都内の住宅には、防護服の人の姿がありました。今、個人宅からの消毒や除菌の依頼が急増しているのです。
特殊清掃会社ペガサス・責任者
「(個人宅からの消毒)オーダーが非常に多くなって、2~3倍の間なのかなと」
ある日、作業していたのは現在、ホテルで療養しているコロナ患者の女性の部屋です。念入りに消毒していたのは、ドアノブや電気のスイッチなど。
特殊清掃会社ペガサス・責任者
「手で触るところをターゲットにして、アルコールで拭き上げていますので」
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感染拡大に歯止めがかからないまま、異例のお盆を迎えます。