「デパ地下」集中対策 分科会提言のワケ
急激な感染拡大を受け政府分科会は12日、今後2週間で、東京都内の人出を緊急事態宣言前の約5割に減らすことなどの集中対策を提言しました。提言の中で具体的な対象として「デパ地下」が挙げられましたが、その背景とは? 客側に求められることも考えます。
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■百貨店の感染者「33%」が地下
有働由美子キャスター
「今後2週間、東京の人の流れを緊急事態宣言前の約5割まで減らす必要がある」と政府分科会が提言しました。その中で、人出を強力に抑制すべき場所として名指しされたのがデパ地下です」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「ここ最近、東京の伊勢丹新宿店やルミネエスト新宿、大阪の阪神梅田本店などで、多くの感染者が出ていますが、このうち伊勢丹新宿店では、11日までの1週間の感染者67人のうち、28人がデパ地下の従業員でした。政府分科会の資料によると、8月2日~9日に百貨店(48店舗)で出た感染者のうち、33%が地下フロアでした」
「デパ地下を挙げた理由について政府分科会の尾身会長は、『ある時間帯、非常に混む。しかも大人数が行く』『客と従業員がおしゃべりをして活気がある』と指摘しました」
有働キャスター
「確かに、普段だと店員から丁寧な説明を受けることがありがたいわけですが、今は…というところですね」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「僕も家族でデパ地下に行くことはありますが、なるべく短時間でパパっと済ませるようにしています」
■百貨店関係者「戸惑い」の声も
小栗委員
「百貨店の関係者からは、『食品売り場はターミナル駅の出口とつながっていて、人の流れが多い。他の売り場と比べてショップ数や従業員の数も多いから、リスクが高いと考えられているのかも』という声が聞かれました」
「また別の関係者からは『徹底した感染対策をしている。おうち時間が増える中、ごちそう感のあるものを買いたいというお客様もいる。食品売り場が開いていて助かるという声もいただいている』と戸惑いの声もあります」
「各百貨店は『今後、政府や自治体などから要請があれば内容を見て検討する』としています」
■廣瀬さんに聞く 客に必要なことは?
廣瀬
「個人的には、お店側というよりは(店に)行く側が気を付けないといけないかなと思いました。お客さんに話しかけられるとお店の人が対応せざるを得ないというところもあるので、我々消費者が、静かに買い物したりこまめに消毒したり、少し我慢が大切かなと思います」
有働
「確かに、客側の意識というのも大事ですよね。今回の尾身会長の提言を、政府はどう見ているのでしょうか」
小栗
「官邸関係者は『お盆前に、感染拡大地域では改めて危機感を持つことは必要』としつつも、『今すぐ全国で規制を強める状況ではない』と話しています」
有働
「尾身さんは、政府にはさらなる医療体制の強化を、私たちには接触の5割減をお願いしました。週末は天気も感染も心配ですので、私自身は自宅でゴロゴロすることで、それが誰かの役に立てると思って過ごしたいと思っていますが、ぜひ皆さんも、自分たちの身を守ることを一番に過ごしていただければと思います」
(8月12日『news zero』より)