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夏休み明け増加…子供の“自殺” SOSは

2021年8月20日 3:35
夏休み明け増加…子供の“自殺” SOSは

19日、ある緊急会見が開かれました。毎年、夏休み明けには、子どもの自殺が増える傾向にありますが、SOSに気づくために、どうしたらいいのでしょうか。

       ◇◇◇◇◇

■「SOSを出してくれというより、周りがもっと気づいて」

19日、夏休み明けに向けた、異例の緊急会見が開かれました。

NPO法人『全国不登校新聞社』石井志昂さん
「学校は命を削ってまで行くところではない。かつてない危機感を持って緊急アピールをさせていただきたいと」

背景にあるのは、小中高生の自殺者数が、過去最多となった去年をさらに上回るペースになっていることだといいます。不登校経験者を約20年、取材しているというNPO法人『全国不登校新聞社』の石井志昂さんは──

石井さん
「子どもは、かなりSOSを出している。(その子に対し)SOSを出してくれというより、周りがもっと気づいてほしい」

──隠したがる子どももいるが、どう対応する?

石井さん
「体調を崩しやすい、情緒不安、夏休みの宿題ができない。さぼって(宿題が)できないのではなく、一行も書けなくなる。言葉ではない部分で普段と違う様子が親や先生ならわかると思う」


■家族の視線、つらかった「環境を整えようとしてくれたけど…」

この日、zeroに話をしてくれたのは、中学校時代に不登校を経験した小林直央さん(19)です。

小林さん
「(朝)ご飯食べて、いざ学校に行こうというタイミングで吐きました」

──突然?

小林さん
「そうですね」

小林さんは、夏休み明けに体に異変がでたといいます。

小林さん
「その時は学級委員にもなって、合唱コンクールもリーダーになって、やることが多すぎてパンクした」

──一番つらかったことは?

小林さん
「親と祖父母の視線というか、いろいろ家族も対応してくれて『学校復帰目指そう』って感じになってたけど、そもそも自分をみてくれていないというか、(父親から)『転校してみるか』とか、祖父にいたっては学校に直談判して『学校が悪いんじゃないか』とか、環境を整えようとしてくれたけど、どんどん自分はだめな人間なんじゃないかと思えてくるようになって」

そのまま中学を卒業するまで学校にいくことがなかったという小林さん。しかしその後、福祉の道をすすみたいと将来の夢を持ったことをきっかけに、現在は大学に通っています。

──夏休み明けの時期に不登校の方に伝えたいことは?

不登校を経験した小林直央さん(19)
「ゆっくり自分の好きなことを見つけてください。学校に行くだけが人生ではないし、学校以外でも勉強する場はどこにでもあるので、学校にとらわれる必要は全くないと思います」


       ◇◇◇◇◇


元ラグビー日本代表キャプテンで、「news zero」パートナーの廣瀬俊朗さん(39)は──

廣瀬俊朗さん
 「学校が全てではないので、ちょっとぐらい休んだって大丈夫かなと思いますし、ちょっと行ってもいいかなとなったら、少しずつ自分のペースで行けるようになれば良いかなと思います。どうしても嫌なら別の学び方もあると伝えられたらいいと思います」

 「もうひとつは、正直なところ、親としては子どもが行きたくないと言ったら悩むと思うので、子どもと向き合うのはもちろんですが、子どもも親も誰かに相談できるといいなと思います」


有働由美子キャスター
 「専門家に伺ったんですが、学校に行きたくないといった発信などがあった時に、親がやってはいけないのは『何を言ってるんだ』と突き放したり、あるいは軽く扱ったりすることなんだそうです。まずはちゃんと話を聞いてあげて、親が相談できる相手なんだということをわかってもらうのが大事だということでした」

 「もし、いま悩んでいるという方は、24時間電話相談を受け付けている場所や、LINEで相談できるところもあります。一人で抱え込みがちだと思いますが、一度、相談してみてほしいと思います」


【不安や悩みの主な相談窓口】
■24時間子どもSOSダイヤル
   0120-0-78310(なやみ言おう)

■チャイルドライン(18歳以下対象)
   0120-99-7777(毎日 午後4時~午後9時)

■BONDプロジェクト 10~20代の女性向け
   LINEで受け付け


(8月19日放送『news zero』より)