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“感染拡大”続く 全国の重症者も過去最多

2021年9月2日 21:06
“感染拡大”続く 全国の重症者も過去最多

新型コロナウイルスの深刻な感染拡大が続く東京都内で、9月2日、新たに3099人の感染が確認されました。感染した患者の救急搬送や訪問診療が増え、医療の現場がひっ迫しています。

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2日午後、会見を行った千葉市長。

千葉市 神谷市長
「千葉市からは延期を申し上げてきたところであります。受け入れていただけない場合は、後援の取り消しを予定しております」

9月18・19日に開催される音楽イベント「スーパーソニック」の延期を要請したと明らかにしました。

会場は千葉市にある「ZOZOマリンスタジアム」。千葉市は新型コロナの感染状況をふまえ、県内外から多くの人が訪れるのはリスクがあるとしています。

また、千葉県も参加人数の縮小などを要請しています。

一方、主催者側によりますと、1日1万人の来場が見込まれ、酒類は提供しないということです。「県や市と協議を続け、感染対策をより徹底したうえで、開催の準備を進めている」としています。

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厚生労働省によりますと、9月1日時点の全国の重症者は前の日から66人増えて過去最多、2158人になりました。厳しい状況が続いています。

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東京・渋谷にある若者向けの接種会場。2日朝も、受け付けの1時間ほど前から多くの人が並んでいました。そのため、午前9時からの抽選券の配布を1時間ほど前倒しにしました。

抽選に当たった男性
「家族も安心できるかなと思っています」

都は渋谷会場について、4日の接種からオンラインでの抽選制に変更します。

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こうした中、滋賀県の陸上自衛隊・大津駐屯地では隊員135人が感染し、大規模なクラスターが発生。感染した隊員は20代から40代で、ほぼ全員がワクチン接種を受けていなかったということです。

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東京都では2日、新たに3099人の感染を確認。先週の木曜日と比べ1605人減少しました。

ただ、2日に行われた都のモニタリング会議では…

国立国際医療研究センター 大曲貴夫医師
「人流が急激に増加しています。新規陽性者数が再び増加に転じることが危惧されるという状況」

人流増加によって、再び感染状況が悪化するおそれがあると警鐘を鳴らしました。

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こうした中、不安や悩みを抱える若者も増えています。

日本精神保健福祉士協会では去年5月、「子供と家族の相談窓口」を開設。これまでに相談が150件ほど寄せられたといいます。

日本精神保健福祉士協会 加藤雅江理事
「若い方からの相談というのが、全体の半分を超えるぐらいになってきているというのが最近の特徴なのかなと」

半数以上が10代から20代の若者です。

コロナの影響で家にいる時間が増え、親との関係が悪化するなど、ストレスを抱えるケースが多いといいます。

悩みを抱える若者に対しては…

日本精神保健福祉士協会 加藤雅江理事
「本当にしんどいと思うんだけれども、分かってくれる方は必ずいるので、まずは声に出して言ってみるということをしてもらいたい」

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1万9000人以上の自宅療養者がいる東京。

記者
「要請を受けて現場へ向かっていきます」

患者を自宅から病院へ搬送する「民間救急」は、2日も朝から稼働していました。

苦しそうに大きく咳(せ)き込む40代の男性。

民間救急スタッフ
「横になっていた方が楽ですか?」

患者
「そうですね」

民間救急スタッフ
「じゃあ横になりましょう」

男性は8月24日に陽性が判明。1週間以上自宅で療養していましたが、2日、病院へ搬送されました。

“第5波”に入り、日に日に増えているという緊急搬送。

民間救急フィール 齊藤学代表
「お時間によっては搬送時間が重なってしまうことがありますので、やむを得ず、(依頼を)お断りすることもございます。(現状が続くと)我々の台数では対処ができなくなってきてしまいますので、その辺を懸念しています」

一方、自宅療養の往診を行うクリニックは…

新宿ヒロクリニック 英裕雄院長
「地域の感染者数が減ってきているので、(コロナの訪問診療が)すごく減るのではと期待しているんですが、まだまだ多い状況。いつになったら下火になるか、見えてこない状況ですね」

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入院したくてもできない…。臨時の医療施設、いわゆる“野戦病院”を求める声があがっています。

こうした中、福井県は宿泊療養施設と病院の間という位置づけで、福井市内の体育館に100床確保することを目指しています。

ベッドはパーティションで一つずつ区切られ、酸素濃縮装置が置かれるということです。

現在はまだ20床程度で、県は、病床のひっ迫がさらに進んだ際に活用するということです。