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豊田会長「やっちゃいけないことをやってしまった」 車の安全性確認試験で自動車メーカー5社が不正 相次ぎ会見

2024年6月4日 5:55
豊田会長「やっちゃいけないことをやってしまった」 車の安全性確認試験で自動車メーカー5社が不正 相次ぎ会見

トヨタやマツダ、ホンダなど自動車メーカー5社が車の安全性を確認する試験で不正をしていたことが明らかになりました。トヨタの豊田章男会長は「やっちゃいけないことをやってしまった」などと謝罪しました。

トヨタ自動車 豊田章男会長(3日午後5時すぎ)
「お客様、クルマファン、すべてのステークホルダーの皆様に、心よりおわび申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」

またしても発覚した自動車メーカーの不正。トヨタだけでなく…

マツダ 毛籠勝弘社長(3日午後4時すぎ)
「このたびは大変申し訳ございませんでした」

ホンダ 三部敏宏社長(3日午後6時すぎ)
「深くおわび申し上げます」

…マツダ、ホンダも、3日に相次いで謝罪する事態になりました。

問題が発覚したのは、トヨタ、マツダ、ホンダ、ヤマハ発動機、スズキの自動車メーカー5社。いずれも車の安全性を確認する試験での不正行為でした。

去年、ダイハツ工業などによる不正行為がきっかけで、国土交通省が自動車メーカーなど85社に対し調査・報告を指示したところ、5月末までに5社から不正の報告があったということです。

現在生産しているものを含め、7車種で不正が発覚したトヨタ。生産中の3車種(カローラ フィールダー、カローラ アクシオ、ヤリス クロス)で発覚したのは、歩行者と衝突した際、被害をどの程度軽減できるかを評価するために行う歩行者保護試験での不正です。

自動車事故を研究する団体(自動車事故対策機構)が行った歩行者保護の試験の映像では、人間に見立てたダミー人形が激しく車にたたきつけられています。トヨタは、こういった試験で不正を行ったといいます。

豊田会長は「国の認証試験より厳しい条件で行った」「安全性に問題はない」とした上で、次のように話しました。

トヨタ自動車 豊田会長
「日本国内における認証制度は、主に安全と環境の分野においてルールに沿った測定方法で、定められた基準を達成しているかを確認する制度。認証試験で基準を達成してはじめて車を量産・販売することが可能になるが、今回の問題は、正しい認証プロセスを踏まずに量産・販売してしまった点にある」

「不正といえば不正だが、みんなで安心安全な交通流を作っていくのに、我々は認証の部分でやっちゃいけないことをやってしまった。そこはしっかり正してまいります」

そして、現行生産車2車種、過去生産車3車種の5車種で不正が発覚したマツダ。生産中の2車種(ロードスターRF、MAZDA2)では、出力試験におけるエンジン制御ソフトを自分たちの判断で書き換えました。

また、過去に生産された3車種(アテンザ、アクセラ、アテンザ/MAZDA6)では、前面衝突試験の際に、本来センサーで自動的に検知するエアバッグを、タイマーで作動させたといいます。

マツダ 毛籠勝弘社長
「業務の手順書、手続きが一部十分でなかったために、現場で自己的な解釈を生む。結果として法令に定められた手続きから逸脱する手法をとってしまうことによって生じたものであると考える」

マツダは、再試験を行い、安全性に問題はない、としています。

このほか、ヤマハでは不適正な試験条件での騒音試験の実施(現行生産車1車種 YZF-R1)や、警音器試験における試験成績書の虚偽記載(過去生産車2車種)。

ホンダは、騒音試験における試験成績書の虚偽記載など(過去生産車22車種)。スズキは、制動装置試験における試験成績書の虚偽記載(過去生産車1車種)が発覚しています。

   ◇

相次ぐ自動車メーカーの不正発覚に、車に乗る人からは…

トヨタユーザー(東京・世田谷区 3日夜)
「またかなって感じですかね。一歩間違えれば命に関わることなので、そういった不正は許せない」

自分の車が含まれているか、ホームページで検索した男性は…

ホンダユーザー(東京・世田谷区 3日夜)
「(生産時期が)ぎりぎりかぶっているか、かぶってないか。自分の車(車種)が入っていたのがショックですね」

   ◇

国交省は5社に対して立ち入り調査を行い、不正行為の事実関係を確認するとしています。

(6月3日放送『news zero』より)