「密フェス」感染拡大…初の補助金取り消し
クラスターが発生した愛知県の野外フェスでは感染が拡大。少なくとも感染者は25人となり、3000万円の補助金の交付取り消しが決まりました。一方、千葉市のフェス「スーパーソニック」は延期要請がなされましたが、予定通り開催されることになりました。
■愛知「密フェス」感染25人に
マスクをしていない客が集まり、酒が提供されるなどした結果、新型コロナウィルスのクラスターが発生した愛知県の野外フェス。新たに10代から20代の男女4人の感染が確認されました。これまでに、感染者はフェスの参加者ら少なくとも25人になりました。
「感染防止対策を徹底していただかないと、『こういう音楽フェスはやめろ』ということになってしまいますので」。大村知事は8日の会見で、資料をたたきながら怒りをあらわにしました。
経済産業省は8日、主催者への交付を決めていた3000万円の補助金の取り消しを決めました。感染対策が徹底されていないことを理由に取り消されるのは初めてだということです。
■「スーパーソニック」開催へ
こうした中、18~19日には、1日約1万人の来場が見込まれるという千葉市の音楽フェス「スーパーソニック」の開催が控えています。市は主催者側に開催延期を要請していましたが、千葉県によると、主催者側が6日、熊谷知事を訪ね、感染対策を徹底した上で予定通り開催する考えを伝えました。
これに対し知事は、入場者数の削減や自宅と会場の直行直帰を改めて求めたといいます。
千葉市内で、地元の人の受け止めを聞きました。
大学生(19)
「一気に人が集まるっていうのもすごい抵抗があるし、そこからまた感染が拡大するんじゃないかっていう懸念があります。もっと(感染が)収まってからの方がいいんじゃないかなっていうのがあります」
会社員(30代)
「自粛、自粛ばっかりっていうのも、経済的にもけっこう厳しいと思うし、感染対策を万全にしてやってもらえればいいのかな」
■大阪で10代男性死亡も…全国初か
東京の新たな感染者は1834人で、1日から1334人減りました。17日続けて、前の週の同じ曜日の人数を下回りましたが、新たに30代と40代を含む17人の死亡が確認されました。
30代の男性は、職場で倒れているのを同僚が見つけ、病院に搬送されましたが、その日に死亡。感染経路は、職場内でした。
東京を上回る2012人の感染が確認された大阪の吉村知事は8日、10代の陽性者が亡くなったことを明らかにしました。
10代後半の男性は1日、体調不良で病院に救急搬送され、感染が判明しました。その後、病院で治療を受けましたが、7日に死亡しました。男性は基礎疾患があり、ワクチンは接種していなかったといいます。10代の死亡は全国で初とみられます。
全国で亡くなった人は午後10時半時点で89人に上っています。
■専門家会議「リバウンド」懸念
8日夜、厚生労働省の専門家会議「アドバイザリーボード」は、「全国的に感染者数の減少が続いている」と分析しました。
その上で脇田座長は「ワクチン接種率がさらに高まっていくことがもちろん期待されるわけですが、社会活動が活発化すること、滞留人口が増加していく要因もあります」と説明。リバウンドの恐れもあるとして、感染状況を引き続き注視する必要があると指摘しました。
(9月8日『news zero』より)