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制限緩和へ 欧米の“接種”めぐる動きは

2021年9月10日 21:35

19都道府県の緊急事態宣言の延長が9日、決定しました。もうしばらく我慢の時期が続きますが、国民に新型コロナウイルスのワクチン接種が行き渡る頃を念頭に、政府は行動制限緩和の基本方針も決定しました。徐々に日常を取り戻しつつある海外の事例も含めて詳しくお伝えします。

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■行動制限“緩和”政府の方針とは

政府による行動制限緩和の基本方針では、ワクチン接種が広く行き渡る11月頃をめどに、「2回接種した証明書や検査の陰性証明があれば、これまでの行動制限を緩和していく」としました。

飲食では、現在は4人までとしている会食の人数制限を緩和します。また感染対策を講じた店に、自治体が認証を与える第三者認証制度を活用し、お酒の提供を認めたり、営業時間の制限を緩めたりすることもあり得るという事です。

「イベント」では、安全計画の策定や、QRコードによる濃厚接触者の追跡などの感染対策をとれば、宣言地域では上限5000人の人数制限を緩和したり、宣言などが出ていない地域では、制限を撤廃したりすることも検討しています。

イベントは各地から大勢の人が集まるので、クラスターが発生した場合、影響が大きく、会場の中だけでなく外での感染対策も必要になります。

人の移動や旅行など、県をまたぐ移動も原則、認めるとしています。また、学校での部活動や課外活動なども可能にすることも考えているといいます。

ただ、この行動制限の緩和は「いまの緊急事態宣言下で始めるわけではない」とした上で、もし、こうした緩和策を導入した後でも、「医療提供体制のひっ迫が見込まれる場合は、再び強い措置もあり得る」と西村経済再生担当大臣は強調しています。

■日本のワクチン接種率は

これらの緩和策導入にあたって、ワクチン接種率はどうなっているのかをみてみます。

先進各国のワクチン接種を完了した人の割合を示すグラフでは、9日の時点で、日本は49.8%と、スタートこそ出遅れたものの、夏ごろからぐっと追い上げて欧米諸国に追いついてきました。

■欧米のワクチン接種めぐる動き

実際、接種率が高い欧米では、いわゆる「ワクチンパス」の導入によって、徐々に日常生活を取り戻しつつあります。

人口のおよそ62%が接種を完了したフランスでは、先月、レストランや美術館、病院などでワクチン接種などを証明する「衛生パス」の提示が義務化されました。

先月のパリの様子からは、カフェではマスクなしで過ごすお客さんの姿がありました。店に入るには、スマホなどで「衛生パス」を提示する必要があります。違反した場合、日本円でおよそ1万8000円の罰金が科され、店側が確認を怠った場合は業務停止命令や懲役刑の対象となるなど厳しく運用されています。

また、イギリスのイングランドでは、今月中にナイトクラブなどでワクチンパスポートの運用が始まる見通しです。スコットランドでは、観客500人以上の屋内ライブなどで、来月からワクチンパスポートの提示が義務づけられます。「ワクチンパスがあれば、従業員も客同士もお互いに安心して日常を取り戻せる」というメリットがあります。

ただし、18歳未満や健康上の理由などでワクチンが接種できない人は、規制の対象にはなりません。

人口のおよそ53%が接種を完了したアメリカでは9日、従業員100人以上の企業や連邦政府の全ての職員に、ワクチン接種か、毎週の検査を義務づける新たな対策を発表しました。

すでに従業員に接種を義務づけているところもあって、CNNテレビが接種せずに出社した従業員を解雇する事例なども出てきています。

またアメリカでは全国の教職員への接種の義務づけも求められています。ロサンゼルスでは、すでに「教職員だけでなく12歳以上の生徒への接種も義務づけていて、来年1月までに全ての生徒の接種完了をめざす」としています。

ただ、こうした動きをめぐっては反発も広がっています。カリフォルニアなどでは、「医療行為の強制はやめて」などと書かれたプラカードを掲げた人々が、大規模な抗議デモを行いました。ワクチン接種はあくまで個人の選択であるべきだと主張しているのです。

このように、接種した人が何らかのプラスアルファのメリットを享受できる仕組みについては、比較的、受け入れられやすいのに対し、接種が雇用などの前提条件となるようなケースでは反発も大きいようです。

■「ワクチン接種後に最もやりたいことは?」アンケート結果は

今後、日本でもさらに接種が進んで日常が戻ってきた時に、まずはどんなことがやりたいか、都内のマーケティング会社「CCCマーケティンググループ」が行ったアンケート結果をご紹介します。

7月下旬に全国の18歳から69歳の男女、およそ1500人に「ワクチン接種後に最もやりたいことは?」と聞きました。

アンケートの結果の1位は「国内旅行」で、22.7%の人が国内旅行に行きたいと答えました。2位は「皆で集まって会食」で13.0%、3位は「海外旅行」で9.7%となりました。また4位は「家族・親戚と会う」9.6%で、5位は「友人と会う」6.8%でした。

旅行と同様に多くの人が、家族や友人など、これまで直接会うことができなかった時間を取り戻したいと考えている事がわかる結果となりました。

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ワクチンの普及が、日本のひと足先を進む海外の事例も見てきましたが、ウイルスと共生しながらの日常生活を取り戻すために、ワクチン証明などをめぐる議論を今後、丁寧に進めて、多くの人が納得できる形をめざしたいですね

(2021年9月10日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)

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