裁判検討させずスリランカ人送還 違憲判断
難民と認定されなかったスリランカ人男性2人が、この判断の取り消しを求めるための裁判を起こすかどうか、検討する時間を与えられることなく、強制送還されたとして国を訴えた裁判で、東京高裁は22日、入管当局の対応について、憲法に違反すると判断しました。
この裁判は、難民と認定されなかったスリランカ人男性2人が、難民不認定の判断の取り消しを求めるための裁判を起こすかどうか、検討する時間を与えられることなく、スリランカに強制送還されたとして、国に対し慰謝料など合わせて1000万円の支払いを求めたものです。
一審の東京地裁は去年、男性2人の請求を退ける判決を言い渡していました。
22日の判決で、東京高裁は「難民にあたるかどうか司法審査を受ける機会を実質的に奪い、憲法が保障する裁判を受ける権利を侵害した」などとして、国に対し、合わせて60万円を支払うよう命じる判決を言い渡しました。
男性2人の弁護士によりますと、外国人の強制送還をめぐって憲法違反の判断が出るのは初めてとみられます。