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コロナ禍での“心の変化”検索ワードで分析

2021年9月23日 19:30
コロナ禍での“心の変化”検索ワードで分析

緊急事態宣言が9月末にも解除され、今後の行動制限の緩和も検討される中、いま、ある研究が注目されています。コロナ禍に人々が検索したワードから、人々の気分がどう変化したのか、分析する研究です。そこで見えてきたものとは…。

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慶応大学環境情報学部の大越匡准教授は、大手検索サイト、Yahoo!JAPANの研究所と協力しながら、ある研究を進めてきました。

慶応大学環境情報学部 大越匡准教授
「検索キーワードを入力すると、検索がなされた時のムード(気分)はどれだけ良いか悪いか(測定する)AIモデルを作ることができました」

日々、ヤフーの検索エンジンに打ち込まれる大量の単語から、コロナ禍の人々の気分のアップダウンをAIで分析しようというものです。

その分析をするためにまず行ったのは、「明るい気分」や「暗い気分」の時に使う単語の洗い出しです。

実験への協力を得られた数百人のスマートフォンに専用のアプリをダウンロード。アンケートで、気分が「非常に良い」から「非常に悪い」まで7段階で回答してもらいます。

同時に、その時に入力した検索ワードなどを調べました。

その結果、明るい気分の時に使う単語は、例えば「誕生日」や「赤ちゃん」。「タピオカ」という単語もありました。

一方で、暗い気分の時に使う単語は、「破産」、「地震」、「天気」などだったといいます。

では、それぞれの単語が一体どのくらい使われたのか。1000万人の検索ワードから人々の気分のアップダウンをAIが分析し、描き出しました。

去年1月から今年9月までのその結果を示したグラフに、感染者数の推移のグラフを重ねると…

慶応大学環境情報学部 大越匡准教授
「興味深いことが分かったのは、新型コロナのピークの時に1000万人の方の平均のムードは落ち込んだ。陽性者数の山と気分の落ち込みの谷が第1波・第2波では完全に同期していた」

第1波と第2波では、感染者数が増えると気分が落ち込み、感染者数が減ると気分が上がったのです。

しかし、今年になると…

慶応大学環境情報学部 大越匡准教授
「新規陽性者数が増えてもムードは逆に下がるということではなくて、休日になることでムードは上がっている」

第3波以降、お正月やゴールデンウイーク、東京オリンピックが開会した7月の4連休は感染者数が増えているにもかかわらず、去年のようには気分が落ち込まず、上向きになっていました。

この理由について…

慶応大学環境情報学部 大越匡准教授
「コロナの広がりでムード(気分)が落ち込むことは見てとれなくなります。“コロナ慣れ”として理解できるのかな」

感染者の数と関係なく気分が高止まりした、いわゆる“コロナ慣れ”がグラフにも表れているというのです。

今後、どう感染を収束させるのか?

慶応大学環境情報学部 大越匡准教授
「人の動きにわれわれの感心はいきがちなんですけど、人々の心の状態、広くケアしていくことは重要だと思いますので」

大越教授らは、人々の“心の変化”を見つめることも鍵になるとして研究を続けます。

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