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園児がクラクション“訓練” 「女児置き去り」から1週間 命守る取り組み

2022年9月12日 20:50
園児がクラクション“訓練” 「女児置き去り」から1週間 命守る取り組み

静岡県牧之原市の認定こども園で、3歳の女の子が送迎バスに置き去りにされ死亡した事件から12日で1週間となりました。こども園の周辺では、警察による聞き込みが行われました。こうした中、子どもの命を守る取り組みが各地で進められています。

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12日、埼玉県狭山市の武蔵野短期大学付属幼稚園で行われていたのは、バスの中に1人で取り残されてしまった時、自分でクラクションを鳴らし、周囲に助けを求める訓練です。

保護者
「やっぱり、何かあった時に必要だなって」

保護者
「家だと住宅街だから、家の車のクラクション押す練習できない。いつも乗ってるバスだったので、子どもにとってもいい経験になったのかなと」

力が足りず、手でクラクションを押せない子どもには、クラクションに座り、おしりで鳴らすように教えていました。

武蔵野短期大学付属幼稚園 小島直子さん
「子どもたちには、助けが来るまで、ずーっと(クラクションを)鳴らし続けるんだよっていうのを、注意点で伝えてあります」

この訓練が行われたのは、今月5日、静岡県牧之原市の認定こども園で、送迎バスの車内に置き去りにされた河本千奈ちゃん(3)が亡くなった事件がきっかけです。

事件の発生から、12日で1週間となりました。静岡県牧之原市の献花台には、たくさんの花や飲み物が供えられていました。

献花に来た人
「ちょうど1週間たったので。9月5日のことを忘れてはいけないというために」

こども園の周辺では12日朝、当時、送迎バスの様子を目撃した人がいないか、警察が聞き込みを実施しました。

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幼い子どもの命が失われた事件を受けて、「子どもが登園したのか」を確認するための取り組みも始まっています。

キートスチャイルドケア新田町(千葉市)では、保育園に到着すると同時に、保護者がタブレットで登園状況を登録しています。今月からは、「子どもが登園したか」などの様々な情報を一括でチェックができるように、システムを改修しました。

園の先生
「確認の時間の手間が省けるようになったというか。正確性も上がって、確認する時間というのも短くなった」

そして、新たに導入を進めているのが、腕時計型の端末で子どもたちを見守るシステムです。

ハイフライヤーズキートス統括園長 日向美奈子さん
「もし、ここの保育園に(園児が)いないとなった時に、アラートを鳴らして、保育者に知らせるということが可能になるので」

端末を装着した子どもの位置情報を把握できるため、万が一、園から抜け出し、公園など屋外で行方がわからなくなった場合でも、居場所が特定できるようになるということです。

ハイフライヤーズキートス統括園長 日向美奈子さん
「(さらに)例えば、心拍が急激に上がっているということで、アラートを鳴らせる」

熱中症などによって、心拍数や血圧に変化があれば、アラームが鳴るため、リアルタイムに子どもの危険に気がつくことができるとしています。

ハイフライヤーズキートス統括園長 日向美奈子さん
「保育者の目とアプリを両方を一致させることで、お子さんの安全は守ることができるので」

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リアルタイムで園児たちを見守る仕組みは、他にもあります。

フルティフル 南野真吾代表
「園児の名札の裏側に二次元コードを貼っているようなイメージで、それをスマホみたいなものでスキャンするという仕組みです」

6月に始まった「QRだれドコ」のサービスでは、例えば、送迎バスに園児が乗り降りする時、名札などにつけた二次元コードをスマホで読み込むことで、幼稚園側だけではなく、離れた保護者も「子どもがバスに乗ったこと」や、「登園」などの情報をリアルタイムで把握できるとしています。使用するのはスマホやタブレットで、手軽に導入できるということです。

フルティフル 南野真吾代表
「見守りの目を増やす。そういうところが、人が何かしらミスを犯してしまった時に、バックアップとして機能する」

インターネットで登録することで使用できる「QRだれドコ」は、幼稚園や保育園(※199人まで)では、無料で利用することができるということです。


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