米離れの救世主?米粉 “チーズ”も登場
お米の消費量が過去最低を記録するなか、今、米粉が注目されています。
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秋の訪れを感じる今日このごろ。田んぼの稲穂が頭を垂れると、稲刈りが本格化。日本一の米どころ、新潟県では収穫の最盛期を迎えています。
都内のスーパーには、私たちの食には欠かせないお米。しかし今、日本人の“米離れ”が顕著になっています。農林水産省によりますと、1人あたりの米の消費量は、およそ60年前から年々減少。昨年度は、過去最低を記録しています。
また、コロナの影響で外食需要などが落ち込むとともに、米の価格が下落。「JA全農とちぎ」によりますと、農家が受け取る金額は、前年に比べおよそ3割も減ったということです。
そんななか注目されているのが…
クイーンズ伊勢丹 白金高輪店・助川元洋店次長「こちらが米粉でございます」
米を粉状に細かく砕いた「米粉」です。この米粉、米の消費量を押し上げる“救世主”と期待されていて、生産量はここ10年ほどで右肩上がりに増加。小麦粉の代わりなどとして使う人が増えているといいます。
都内のベーカリーでは、米粉をふんだんに使用したパンが作られていました。この店では、すべてのパンに米粉が使われていて、モッチリとした食感が特徴だといいます。
米魂 富室毅店長「私の実家が稲作の農家だったので。(米の消費が)どんどん減っていると聞いていましたので、パンで少しでも挽回できれば」
年々減る米の消費量を改善したいと思ったことがきっかけだったということです。
さらに、米粉はこんな物にまで。
神明 取締役専務執行役員・藤尾益造さん「米でチーズを作ろうと。2年かけて米でチーズを作りました」
なんと、米粉から作られた「チーズ」見た目はまるで本物さながら。酒粕を使うことで、香りも再現しています。熱を加えると、本物のチーズみたいに伸びます。伸びる秘密は「もち米」にあり。チーズフォンデュでいただくと、しっかりとコクがあって濃厚な味わいです。
米粉チーズにかける思いは――
藤尾さん「日本の米の消費が上がって農家さんに還元できる、そういった思いで食べてもらえると非常にうれしい」
この米粉チーズ、来年2月に商品化する予定で、将来的には海外での販売も視野に入れているということです。