ムクドリ“追い払い作戦”効果は…福島市
福島市で、木に葉っぱとは異なる無数の小さな影がありました。街路樹にとまっていたのはムクドリです。
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福島市では、ムクドリが県庁周辺をねぐらにしてフンの被害などで、長年市民を悩ませてきました。その数、推定1万羽。そこで、去年─。
「今晩中に完全に追い払う」
鳥のスペシャリスト、信州大学・中村名誉教授が、3日間で県庁周辺からムクドリを追い払う作戦に出ました。それから1年あまり、再び、県庁周辺をたずねてみると、たくさんいたムクドリの姿は1羽もありません。
ところが、県庁から1キロしか離れていない福島駅では、異変が起きていました。県庁前にいた大量のムクドリは、今は駅の反対側西口のこの木に集まっていました。
去年以降、市内の街路樹を転々としながら、ことし6月頃にはJR福島駅西口周辺の街路樹数本をねぐらにしていました。ムクドリの下を、傘をさして歩くと、フンが落ちてきました。福島市では、周辺の人通りも少ないことから、当面は様子をみたいとしています。しかし、専門家は─。
信州大学 中村浩志名誉教授
「いわゆる初期消火をしないと、どんどん数が増えてくる。1000羽、数千羽になると何をやってもムクドリをねぐらから追い払うことができなくなる」
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実は天敵を避けるために人間の近くで暮らすようになったというムクドリ。完全に追い払うのは難しそうです。