小・中・高校、児童生徒の自殺数 過去最多
昨年度、全国の小・中・高校から報告のあった自殺した児童生徒の数が過去最多となりました。
文部科学省の調査によりますと、昨年度、全国の小・中・高校から報告のあった自殺した児童生徒の数は415人で、1974年の調査開始以来、最多となりました。
うちわけは小学生が7人、中学生が103人、高校生が305人でした。前年度に比べると98人増加していて、そのうち83人が高校生でした。
これについて、文部科学省は、「大幅に増加していることは極めて憂慮すべき状況である。コロナ禍での家庭や学校での生活環境の変化も影響しているのでは」と分析しています。
また、小・中学校での不登校の児童生徒数が19万6127人と過去最多となり、8年連続で増加しています。
過去5年間でみても、2015年度は小学校での不登校は児童全体の0.4%でしたが、昨年度は1%と2倍以上になり、中学校での不登校は、2015年度は生徒全体の2.8%、昨年度は4.1%となり、1クラスに1~2人いるほどに増加しています。
一方、小・中・高校などにおけるいじめの認知件数は51万7163件で、前年度に比べて15.6%減少、小・中・高校における暴力行為も6万6201件で16%減少しました。
減少の理由としては、新型コロナウイルスにより児童生徒の間の物理的な距離が広がったこと、子供たちが直接対面してやり取りする機会が減少したことなどによるものと考えられるということです。
文科省は、いじめで困ったり、自分や友人の安全に不安があったりしたら、1人で悩まず、いつでもすぐ相談してくださいと呼びかけています。
■文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」
0120-0-78310
こうした一連の結果について、文科省は、「人と人との距離が広がる中、不安や悩みを相談できない子供たちがいる可能性があること、子供たちの不安や悩みが従来とは異なる形で現れたり、1人で抱え込んだりする可能性も考慮する必要がある」として、周囲の大人が子供たちのSOSを受け止めることなどが重要だとし、関係機関との連携による教育相談体制を充実するなどとしています。