熱海市“盛り土”「措置命令」見送っていた
静岡県熱海市で26人が亡くなった土石流災害で、10年前、熱海市が前の土地所有者に「措置命令」を出すことを決めたにもかかわらず見送っていたことが分かりました。
18日、静岡県の難波副知事が、土石流の起点となった盛り土をめぐる「行政手続き」の調査結果を公表しました。それによりますと、盛り土をめぐっては2006年に神奈川県の不動産管理会社が土地を取得。さらに2011年2月に現在の所有者に変わりましたが、その4か月後、県と熱海市は前の所有者に対し安全対策を講じるよう求める「措置命令」を出すことを決定。しかし、熱海市から「措置命令」は出されなかったということです。
結果的に、土石流が発生するまでの10年間にわたって「措置命令」が出されなかったことについて難波副知事は、「そういう判断をした当時の関係者からヒアリングする必要がある」と述べました。
一方、熱海市の斉藤市長は措置命令を見送った判断について、「この時点では正しいと思った。市の対応に問題がなかったのか真摯(しんし)に向き合うことが必要」と話しました。
先月、日本テレビは盛り土をした土地の前の所有者の男性を直撃しました。
「Q:伊豆山の盛り土、違法性の認識はあったんですか?伊豆山の盛り土についてお答えください」(車が走り去る)
一方、前所有者が代表をつとめていた不動産管理会社の元社員は次のように指摘しました。
盛り土をした不動産管理会社の元社員「責任があるのは行政だと思いますよ。(盛り土の問題を)知ってて放置して(行政の)指導が行き届かなかったために今回のああいう事故になった」