外来魚「ブラウントラウト」大量繁殖で…
大きいもので1メートルに達するというサケ科の外来種「ブラウントラウト」。繁殖力が高く、在来種を駆逐するケースが日本国内でも後を絶ちません。水産庁が指定する「適切な管理が必要な外来種」のひとつで、生息域の拡大を防ぐよう呼びかけられています。
記者(秋田・横手市)
「横手市を流れる横手川の支流です。駆除には川に電気を流して気絶させる方法が用いられています」
秋田県横手市で、ブラウントラウトの駆除作業が行われました。
ブラウントラウトが大量に繁殖しているのは、秋田県の横手川やその支流です。
横手川支流では2017年から毎年、県と地元の漁協が調査を兼ねた駆除作業を実施しています。横手川支流の武道川では捕れる魚の9割以上をブラウントラウトが占めるといいます。
横手川漁業協同組合 柴田耕副組合長
「イワナ、ヤマメ、ウグイなどが減って、私らが子どものころにいた川と様子が変わってしまって、もうそういう在来種はほとんどいない状態です」
自らの産卵場所を確保するためにイワナなどの卵を掘り返すなどして在来種を脅かしているブラウントラウト。
秋田県水産振興センター 佐藤正人さん
「生態系のバランスが崩れて他の生物が増えたり、また減ったりすることがあるかと思います。多様性がなくなるといった影響もあるかなと」
県は、これからも定期的な駆除を実施するとともに、川に持ち込まないよう呼びかけています。