「マイナ保険証」どう使う?メリットは?
20日から、マイナンバーカードを健康保険証として使える「マイナ保険証」の取り組みが始まりました。どうやって使うのか。私たち利用者にどんなメリットがあるのか。詳しくお伝えします。
■「マイナ保険証」開始…マイナンバーカード普及率は?
そもそも、みなさんどのくらいマイナンバーカードを持っているのか、20日、街で聞いてみました。
保育士(20代)
「家族全員、持っています。コンビニで引っ越しの時とかも住民票とか出せるので、すごい便利です」
会社員(30代)
「持ってます。ずっとファイルの中に入れてあるので、使ったことない」
アルバイト(20代)
「カードは持ってないです。それをやることによって、どのようなメリットがあって、デメリットがあるのか気になっています」
Q「マイナ保険証」と聞いて、どう思うか?
マイナンバーカードあり主婦(70代)
「便利だと思います。保険証とか持ち歩かなくて、これあればなんでもできるので」
パート(50代)
「便利は便利になるのかなと、ただ落とすと怖いなと。写真も入っていて個人情報も入っているので、落とすと怖い」
現在、全国でみると、マイナンバーカードの普及率は38.4%、およそ2.6人に1人が持っています。
では、持っている人にとって何が便利になるのか。これまで、病気やけがで病院に行く時、必ず家から持って行くのは「健康保険証」「診察券」「お薬手帳」の3点セットでした。
これからは「マイナ保険証」が使える医療機関や薬局であれば、マイナンバーカードを持って行けば、基本的にこれ1枚で全部済みます。
■どうやって使う?メリットは?
実際にはどうやって使うのか。すでにテスト運用を始めている都内のくがはらウィメンズクリニックで見せていただきました。
まず、普段お医者さんに行くと、受付に診察券と健康保険証を出しますが、患者が向かったのは「顔認証付きカードリーダー」。マイナンバーカードを置くと、顔認証で本人確認をします。
医療機関に来る前に登録しなくても、カードリーダーを操作することで、わずか数秒で「マイナ保険証」の登録ができました。
利用した患者は「意外と簡単だったので、登録自体は(手順に)沿っていけばいいので、簡単にできました」と話していました。
前提として、使える医療機関や薬局に限った話ですが、利用者のメリットは次の通りです。
・診察券が1枚になります。医療機関によっては診察券を残すケースもありますが、何かとかさばる診察券が、マイナンバーカード1枚にまとめられます。
・月に1度の「保険証の確認」が不要になります。
・転職をしたり、結婚をしたりして保険証が変わっても「保険証の更新」が不要になります。
こういったことができるようになる仕組みですが、クリニックの入り口で「顔認証カードリーダー」を使っていましたが、患者はまず「本人確認」とマイナ保険証としての「登録」を行います。
本人確認は毎回必要ですが、登録は「一生に1回」だけでOKです。登録で同意すると、患者の「健康保険証」や「過去に使った薬」、40歳以上の人は「健康診断」の情報をお医者さんや薬剤師さんが見られるようになります。
例えば、以前、眼科で処方された薬の情報について、次に受診した耳鼻科がお薬手帳を見なくても把握できるようになります。
今回テスト運用をしている、くがはらウィメンズクリニック・永田英明院長は「(患者さんの)医療費の削減になります。不要な検査がいらなくなります。それによって、安全安心の医療を受けられます」と話します。
薬を過剰に飲んでしまったり、無駄な検査を省いたりすることができるため、患者の医療費削減にもつながるといいます。
一方、個人情報で心配な部分も残りますが、マイナンバーカードに付いている「ICチップ」には、個人情報は記録されていないので、情報がカードから漏れることはありません。
また厚生労働省は「医療機関などが使う情報も漏れないようにセキュリティーがきちんと担保されている」と説明しています。それでも、マイナンバーカードを持ち歩くのが不安という方もいると思いますが、万が一、紛失した場合でも「本人確認」がなければ他人は使えませんし、24時間365日、フリーダイヤルで「一時利用停止」にすることができます。
■どのくらいの医療機関で使える?
これを機に作ろうという人もいると思いますが、どのくらいの医療機関で使えるのでしょうか。
20日から実際に「マイナ保険証」を利用できる医療機関などは、全体のおよそ5%。1万施設あまりとみられています。
厚生労働省は「おおむね、全ての医療機関などで利用できるようにしたい」としていますが、時期的には「2023年3月末までに」ということで考えているそうです。再来年ということですので、まだまだ先になります。
その間は、使える場所、使えない場所が分かれますので、健康保険証などと、マイナンバーカードを両方持ち歩くことにもなります。
マイナンバーカードを作っておいた方がいいかも…という情報はもう1つありまして、今後、導入されるスマホなどでの「ワクチン接種証明」は、紙でもOKですが、スマホに入っていると便利という人もいると思います。これの「申請」にマイナンバーカードが必要になると、デジタル庁が19日、正式発表しました。
どう使うのか。まず「接種証明」のスマホアプリをダウンロードします。最初の登録の際に、マイナンバーカードを読み取り、4桁の暗証番号を入力する必要があります。この登録をすると「二次元コード」の接種証明書が発行できます。
マイナンバーカードでなければならない理由があるのでしょうか。マイナンバーカードであれば本人確認などができ、名前、生年月日、ワクチンの接種日やメーカーなどが表示できるようになります。こうしたものを飲食店やイベント会場などで提示することが見込まれています。
このシステムは、12月中にはスタートさせて、海外へ渡航する際の証明書としても使えるようにする予定です。
ただ、マイナンバーカードを持っていない人は、使えないということになってしまうのでしょうか。デジタル庁が先月、民間事業者や自治体などから意見を募ったところ、「運転免許証でも対応できるようにしてもらいたい」「マイナンバーカード必須は避けるべき」などの意見もありました。
ただ、デジタル庁としては、厳密な本人確認を徹底するためにカードによる本人確認を必須とすることにしたそうです。
マイナンバーカード自体が普及率4割弱にとどまっている段階で、マイナ保険証やワクチン接種証明での活用が広がるのかは、私たち利用者にとって本当に使いやすい仕組みができているかにかかるといえます。
たくさんの人の利用を前提とするなら、徹底的にユーザー目線での使いやすさ、便利さを追求していって欲しいと思います。
(2021年10月20日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)
■「マイナ保険証」開始…マイナンバーカード普及率は?
そもそも、みなさんどのくらいマイナンバーカードを持っているのか、20日、街で聞いてみました。
保育士(20代)
「家族全員、持っています。コンビニで引っ越しの時とかも住民票とか出せるので、すごい便利です」
会社員(30代)
「持ってます。ずっとファイルの中に入れてあるので、使ったことない」
アルバイト(20代)
「カードは持ってないです。それをやることによって、どのようなメリットがあって、デメリットがあるのか気になっています」
Q「マイナ保険証」と聞いて、どう思うか?
マイナンバーカードあり主婦(70代)
「便利だと思います。保険証とか持ち歩かなくて、これあればなんでもできるので」
パート(50代)
「便利は便利になるのかなと、ただ落とすと怖いなと。写真も入っていて個人情報も入っているので、落とすと怖い」
現在、全国でみると、マイナンバーカードの普及率は38.4%、およそ2.6人に1人が持っています。
では、持っている人にとって何が便利になるのか。これまで、病気やけがで病院に行く時、必ず家から持って行くのは「健康保険証」「診察券」「お薬手帳」の3点セットでした。
これからは「マイナ保険証」が使える医療機関や薬局であれば、マイナンバーカードを持って行けば、基本的にこれ1枚で全部済みます。
■どうやって使う?メリットは?
実際にはどうやって使うのか。すでにテスト運用を始めている都内のくがはらウィメンズクリニックで見せていただきました。
まず、普段お医者さんに行くと、受付に診察券と健康保険証を出しますが、患者が向かったのは「顔認証付きカードリーダー」。マイナンバーカードを置くと、顔認証で本人確認をします。
医療機関に来る前に登録しなくても、カードリーダーを操作することで、わずか数秒で「マイナ保険証」の登録ができました。
利用した患者は「意外と簡単だったので、登録自体は(手順に)沿っていけばいいので、簡単にできました」と話していました。
前提として、使える医療機関や薬局に限った話ですが、利用者のメリットは次の通りです。
・診察券が1枚になります。医療機関によっては診察券を残すケースもありますが、何かとかさばる診察券が、マイナンバーカード1枚にまとめられます。
・月に1度の「保険証の確認」が不要になります。
・転職をしたり、結婚をしたりして保険証が変わっても「保険証の更新」が不要になります。
こういったことができるようになる仕組みですが、クリニックの入り口で「顔認証カードリーダー」を使っていましたが、患者はまず「本人確認」とマイナ保険証としての「登録」を行います。
本人確認は毎回必要ですが、登録は「一生に1回」だけでOKです。登録で同意すると、患者の「健康保険証」や「過去に使った薬」、40歳以上の人は「健康診断」の情報をお医者さんや薬剤師さんが見られるようになります。
例えば、以前、眼科で処方された薬の情報について、次に受診した耳鼻科がお薬手帳を見なくても把握できるようになります。
今回テスト運用をしている、くがはらウィメンズクリニック・永田英明院長は「(患者さんの)医療費の削減になります。不要な検査がいらなくなります。それによって、安全安心の医療を受けられます」と話します。
薬を過剰に飲んでしまったり、無駄な検査を省いたりすることができるため、患者の医療費削減にもつながるといいます。
一方、個人情報で心配な部分も残りますが、マイナンバーカードに付いている「ICチップ」には、個人情報は記録されていないので、情報がカードから漏れることはありません。
また厚生労働省は「医療機関などが使う情報も漏れないようにセキュリティーがきちんと担保されている」と説明しています。それでも、マイナンバーカードを持ち歩くのが不安という方もいると思いますが、万が一、紛失した場合でも「本人確認」がなければ他人は使えませんし、24時間365日、フリーダイヤルで「一時利用停止」にすることができます。
■どのくらいの医療機関で使える?
これを機に作ろうという人もいると思いますが、どのくらいの医療機関で使えるのでしょうか。
20日から実際に「マイナ保険証」を利用できる医療機関などは、全体のおよそ5%。1万施設あまりとみられています。
厚生労働省は「おおむね、全ての医療機関などで利用できるようにしたい」としていますが、時期的には「2023年3月末までに」ということで考えているそうです。再来年ということですので、まだまだ先になります。
その間は、使える場所、使えない場所が分かれますので、健康保険証などと、マイナンバーカードを両方持ち歩くことにもなります。
マイナンバーカードを作っておいた方がいいかも…という情報はもう1つありまして、今後、導入されるスマホなどでの「ワクチン接種証明」は、紙でもOKですが、スマホに入っていると便利という人もいると思います。これの「申請」にマイナンバーカードが必要になると、デジタル庁が19日、正式発表しました。
どう使うのか。まず「接種証明」のスマホアプリをダウンロードします。最初の登録の際に、マイナンバーカードを読み取り、4桁の暗証番号を入力する必要があります。この登録をすると「二次元コード」の接種証明書が発行できます。
マイナンバーカードでなければならない理由があるのでしょうか。マイナンバーカードであれば本人確認などができ、名前、生年月日、ワクチンの接種日やメーカーなどが表示できるようになります。こうしたものを飲食店やイベント会場などで提示することが見込まれています。
このシステムは、12月中にはスタートさせて、海外へ渡航する際の証明書としても使えるようにする予定です。
ただ、マイナンバーカードを持っていない人は、使えないということになってしまうのでしょうか。デジタル庁が先月、民間事業者や自治体などから意見を募ったところ、「運転免許証でも対応できるようにしてもらいたい」「マイナンバーカード必須は避けるべき」などの意見もありました。
ただ、デジタル庁としては、厳密な本人確認を徹底するためにカードによる本人確認を必須とすることにしたそうです。
マイナンバーカード自体が普及率4割弱にとどまっている段階で、マイナ保険証やワクチン接種証明での活用が広がるのかは、私たち利用者にとって本当に使いやすい仕組みができているかにかかるといえます。
たくさんの人の利用を前提とするなら、徹底的にユーザー目線での使いやすさ、便利さを追求していって欲しいと思います。
(2021年10月20日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)