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投票率アップへ、投票休暇や投票率割も

2021年10月28日 12:36
投票率アップへ、投票休暇や投票率割も

今月末に迫る衆院選の投票日。投票率アップにつなげようと、様々な取り組みが進められる中、投票のための休暇を取得できる企業や、投票率が割引率になるサービスが登場しています。

■半休して投票へ「投票休暇」

大阪に本社を置く大正13年創業の「木村石鹸」。家庭用洗剤やボディーソープなどを扱う老舗企業が今月26日にツイッターにある投稿をしました。

大きく「投票休暇」と書かれた画像と、「投票日までの1週間、半休を使って期日前投票ができる制度として『投票休暇』を取り入れました」との投稿文が。

人事担当者に話を聞いてみると、この制度は、期日前投票のために、特別に有給で平日に半日休暇を取れるというもので、今月25日からスタートしたということです。

■すでに社員から届出も、選挙の大切さ考えるきっかけに

制度導入の狙いについて担当者は「休みの日は自分や家族との時間を大切にしてほしいということもあるので、この制度を使って曜日に縛られず投票に行ってもらえればと思います。また、この制度の導入によって選挙を自分ごととして考えるきっかけになることを期待しています」と話しました。

「あまり使われない、定着しないのでは」という懸念があったものの、今月27日時点で社員約40人のうち、すでに8人が制度を利用して期日前投票に行く届出をしているほか、社内で選挙が話題になることも増えたといいます。

担当者は「投票で休める制度を作った会社があるということを知ってもらうことで、選挙の大切さを感じてもらえれば。今後もこの制度は続けていく予定です」と話しました。

■若者が投票に行けば行くほど割引率アップ

この「投票休暇」の取り組みを提案したのが、低迷する投票率を1%でも高めたいと、クリエイティブディレクターの辻愛沙子さん(25)らが発起人となって設立された団体「GO VOTE JAPAN」。

この団体では投票率アップのための別の取り組みも始めています。その名も「投票率割」。投票日翌日にオープンするショッピングサイトに賛同企業が商品を提供、衆院選での20代の投票率=割引率になるというもので、仮に20代投票率が50%であれば、サイト上の商品を半額で購入できることになります。

特に低くなっている若い世代の投票率を高めることを目指して20代の投票率を割引率にしていますが、全世代が同じ割引率で購入することができるということです。

■発起人の辻愛沙子さん「誰かに丸投げせず、声届けよう」

ツイッターやインスタグラムなどSNSを通じて選挙での投票を呼びかけている「GO VOTE JAPAN」。

発起人の辻さんは、「投票率割は自分が投じた1票が自分に返ってくるという体験ができます。自分の行動で社会が変わるという疑似体験をしてもらえたらいいなと思いました」と企画の意図を説明。SNS上では、「安くなってうれしい」という声よりも「20代のみんな、どんどん投票に行こう」と呼びかける声が多く上がっているといいます。

自らも20代の当事者である辻さんは「過去は変えられないけど、これからの未来を創っていくのは若い世代の私たちなので、誰かに自分の人生を丸投げしないで、声を届けていったほうが、自分たちの未来が確実に良くなると思います」と話しています。

様々なかたちで広がる投票率アップを目指した取り組み。有権者の足を投票所に向かわせることができるか注目されます。