グーグル×がん研有明 AI乳がん検診研究
女性で最も罹患数が多い乳がん。Googleとがん研有明病院がAIを利用した乳がん検診の研究でタッグを組みます。
がん研究会有明病院とGoogleは、AI(機械学習モデル)を使った乳がん検診の研究を共同で行うということです。
■Googleが乳がん特定AIを開発画像
Googleは、乳がん検診で行われるマンモグラフィーの画像データから乳がんを特定するためのAIを開発、2020年に「Nature」で発表していました。このGoogleが開発したAIが日本人の乳がんの早期発見、診断に有効かどうかを検証するということです。
研究は、2007年~2020年に、病院の乳腺センターと検診センターで撮影された約2万人のマンモグラフィー画像を使用します。
■AIで読影医をサポート 検診率向上目指す
日本人女性で最も罹患数が多いがんは乳がんで、毎年10万人近くが診断されています。ほかの先進国では、乳がんの死亡率は1990年以降減少していますが、日本では増加しています。
がん研有明病院によりますと、乳がん検診率は、日本では約47%と低く、欧米の75%以上には遠く及んでいません。日本では、マンモグラフィーの画像読影は、異なる読影医による二重読影が推奨されていて、読影医の不足が検診数の増加を妨げているという現状があるといいます。
そこで、AIで乳がんのスクリーニングを用いることができれば、マンモグラフィーの画像情報がさらに分析しやすくなり、早期の乳がん診断に役立つと考えているのです。
■「全国どこにいても乳がんで命を落とさない未来を創造」
内閣府のAIホスピタルプロジェクトを率いる中村祐輔がんプレシジョン医療研究センター所長は、今回の研究について、「新型コロナ感染症の影響で、がん検診率が低下してきています。乳がんは早期に見つかれば治癒する確率が非常に高いがんです。がん検診にAI技術を利用することは、多くの方が検診を受けても、診断の精度を保ちつつ、放射線科診断医の負担を軽減することにつながります。Googleと協力して、この取り組みを円滑に進め、全国どこにいても乳がんで命をおとさない未来を創造できればとかんがえています」とコメントしています。