野球がしたい ~女子高校球児の青春~
私たち、女子硬式野球部。
「応援してくれる人に、感謝を込めていくぞー!オーッ!」
仲間と白球を追いかけ…目指したのは、決勝の地、夏の甲子園。
広島県立佐伯高校。女子生徒14人が所属する“女子野球部”があります。キャプテンの齊藤きらりさん。明るい性格で、みんなに慕われています。
齊藤さん「勝ちっていう同じ目標に向かってみんなで頑張っていきたいなって思います」
公式戦では勝ったことがありません…。まずは勝って、校歌を歌いたい…!
野球部に寮はありませんが、地元住民の家に下宿をしています。部員6人は、野球をするために、東京や大阪など県外からこの学校にやって来ました。
齊藤さん「地域の方に応援されるのが佐伯高校の良いとこだと思っているので、それを恩返しできるように結果を残していければいいなと思ってます」
廿日市市は、“女子野球タウン”に認定され、女子野球の発展に力を入れています。春と夏には、全国大会が開催される、女子高校野球。佐伯高校らしく楽しく頑張り続ける。
迎えた春のセンバツ大会。打ち込まれる佐伯…。反撃することができないまま…24対0で、5回コールド負け。
齊藤さん「次の試合に向けてチームワークとかをもっと磨いていけたらなって思います」
そんな彼女たちを、地元も全力でバックアップ。グラウンドに運び込まれたのは、上質の黒土。地元の企業が、無償で提供してくれました。
夏の大会の組み合わせ抽選。初戦の相手は…。
齊藤さん「え、神戸弘陵じゃないですか?」
監督「神戸弘陵じゃ」
優勝候補の強豪校です。
監督「よっしゃ」
地域や学校、そして家族、応援してくれる人たちのためにも、勝ちたい!ユニホームを脱いでも話すのは…。
1年生の矢田さん「好きな野球選手いますか?」
齊藤さん「それはもう大谷翔平に決まってるでしょ」
1年生の矢田さん「自分もちょっと前まで大谷翔平好きだったんですよね」
齊藤さん「うわ、ダメダメ。齊藤のもの」
最後の夏。思いを込めて。
齊藤さん「あ~もうラストか~っていう…。だって人生で最後の背番号ですからね」
齊藤さん「全力プレーで頑張ります!」
佐伯高校らしく優勝候補に挑みましたが…。
ゲームセット。
齊藤さん「学校とかで、『野球部いつ勝つん?』とか…色々言われたことがあって、本当にみんなに、申し訳ない気持ちだったんですけど、こうしてたくさんの人に応援してもらって、最後まで諦めずに戦うことができました」
齊藤さんの父「よう頑張ったな。しんどかったもんな」
チームメートと過ごした最高の夏が終わりました。引退後、受験勉強に励むきらりさん。
齊藤さん「栄養士になれる大学を目指しています。ずっと支えられてきたんで、次は自分が(野球選手を)支えたいなっていう」
“初勝利”の夢は、後輩に託します。やっぱり…野球は楽しい!
*フルバージョンは12月15日からhuluで配信スタート
2021年11月21日放送NNNドキュメント『野球がしたい ~女子高校球児の青春~』(広島テレビ制作)を再編集しました