「ふるさと納税」人気返礼品に変化 “お手頃価格”で寄付額急増の自治体も
10月から申し込みが増え始めるという「ふるさと納税」ですが、実は、長引く物価高を背景に人気返礼品にある“変化”が起きているといいます。
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今年のふるさと納税。みなさん、何を申し込みたいですか?
「果物とかお米とか魚介類とかもいいですね。アップルマンゴーとか」
締め切りの年末にむけ、10月から申し込みが増え始めるという「ふるさと納税」。今年は“ある変化”があるといいます。
ふるさと納税経験者 会社員(20代)
「物価高もちょっと気になるので、今年はそれこそ日用品というか、トイレットペーパーとかティッシュとかは頼んでもいいかなって。高くなっているのでお米とかは今年やろうかな」
返礼品といえば、ブランド牛や海鮮など“高級グルメ”のイメージが強いですが、長引く物価高を受け、今年は毎日の生活で使うような“日常使いの返礼品”に人気が集中しているというのです。
ふるさと納税経験者 主婦(50代)
「小さいお子さんいるところは日用品選ばれる方も多いですよね」
物価高対策として、今年はふるさと納税で“節約”することを考えているという人も…
ふるさと納税未経験者 会社員(50代)
「(いろいろなものが)高くなっているから節約になりますし、友達に聞いて(ふるさと納税に)挑戦です」
仲介サイト「さとふる」の調査では、「お礼品選びに物価上昇の影響があった」と答えた寄付者は4割以上にのぼるといいます。
人気の返礼品ランキングにも変化が出ています。今年はトップ10に初めて日用品がランクイン。トイレットペーパー96ロールやティッシュペーパー60箱といった日用品を求める人が急増したといいます。
さとふる・広報 坂平由貴さん
「物価高というところで、日常で消費するものをお礼品として選ぼうという方が増加していて」
お肉は高級なステーキだけでなく、こま切れ肉や切り落とし肉といった日常使いのものが人気に。中には申込数が約50倍に増えたものもといいます。(1月~8月 前年同期比)
一時、品薄となった「お米」は約2倍に。(8月 前年同期比)高騰した「オリーブオイル」は1.8倍以上になったといいます。(1月~4月 前年同期比)
物価高を受け主力の返礼品を“お手頃価格”なものに変えたところ、寄付額が急増した自治体もありました。
神奈川県横須賀市。冬になると「のり」の生産が盛んになるのですが…
横須賀市・ふるさと納税企画担当 土肥佑輔さん
「手を出しやすいような低単価のもの。一番の伸び率となっています」
これまでふるさと納税では、贈答用として1箱1万5000円を超えるような「高級のり」だけを扱っていましたが、去年から3000円程度のお手頃な価格帯も展開するようになりました。
横須賀市に返礼品を提供 丸良水産・長塚由美さん
「こちらが人気の3つ切りとなっています」
すると…
横須賀市に返礼品を提供 丸良水産・長塚由美さん
「日々の発送業務が日課になっているくらい、コンスタントに毎日毎日それが蓄積されるように」
「高級のり」だけを扱っていた時と比べて、寄付額がなんと20倍以上に急増。税収がアップしたというのです。
10月からふるさと納税を始める自治体もありました。東京の千代田区です。その訳は…
千代田区役所総務課長 佐藤久恵さん
「税収の流出が19億円を超えると」
他の自治体に寄付する区民が増えたことで、1年間あたり約19億7900万円の税収が他の自治体に流出したといいます。19億の税金は、例えるなら千代田区立11校の学校給食の無償化にかかる3年間分に相当する費用です。
千代田区役所総務課長 佐藤久恵さん
「区に残っていれば、様々な(区の公共事業などの)使い道が考えられたお金ということになります」
そこで、10月からついに始めるふるさと納税の返礼品は…
千代田区役所総務課長 佐藤久恵さん
「千代田区の場合、千代田区内で生産されているものが限られていますので、現地消費型」
千代田区内の飲食店や宿泊施設で使えるクーポン券などを検討しているということです。