新1年生に無料配布の交通安全ワッペンも高額出品 相次ぐ“転売行為”
新年度を迎えてから1か月がたち、いま、無料のワッペンが“高額出品”されるケースが相次いでいます。フリマサイトに並んでいたのは、新小学1年生に配布される交通安全ワッペンです。
2日朝、東京・葛飾区の南綾瀬小学校に登校していた小学1年生。帽子に付けていたのは、毎年配られる交通安全ワッペンです。
小学1年生
「ピカチュウついている!」
今年度は、配布60周年の限定デザインで、みんなお気に入りです。
新小学1年生
「ぴかぴか」
「ぴーっかちゅう!!」
全身ポケモンコーデの男の子も「うれしい」と話します。
目立つものを身につけて、事故を防ぐ目的で配られるワッペン。交通事故傷害保険もついていて、登下校中に交通事故にあったら、保険金が支払われる仕組みです。
子どもの命を守る大事なものがいま、大人たちに高額取引されています。
記者
「4500円で出品されています」
ピカチュウデザインの影響か、無料のワッペンがフリマサイトに高値で出品されていました。ワッペンには「転売禁止」の文字もありますが、出品はあとをたちません。
ワッペンを配る企業は…
みずほフィナンシャルグループ 経営企画部・総括チーム 池田邦恭次長
「誠に遺憾だなと。フリーマケーケットサイトに出品されていたことを確認したのが4月9日」
ことし多くの入学式が行われたのは4月8日。入学して数日もたたず、出品されたことになります。
みずほフィナンシャルグループ 経営企画部・総括チーム 池田邦恭次長
「子どもたちの安全安心を願って贈呈している。出品されている方々に関しても、やめていただきたい」
フリマサイトの運営者に、違反品申請を行うなど対応しているといいます。
人気が高いものほど、増える“転売行為”。4月30日に東京・渋谷の商業施設のそばで撮影された映像に映っていたのは、地面に大量に置かれた、当日、発売されたK-POPグループのアルバムです。撮影者がいくつか中を見ると、特典のフォトカードが抜き取られていたといいます。特典の転売目的で購入し、放置したのでしょうか。
転売による国内企業の損失額は上がり続け、今年度は約2000億円を超えると推計されています。
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“転売”について、どう思うのか。街で聞きました。
高校2年生
「売り切れてたものがめっちゃ転売であったりさ」
「キレるよね」
「怒りもだし、悲しい」
行きたかったライブのチケットが転売されていたという人は…
30代
「1万1000円くらいのが40万とか」
――40万?
30代
「最前列とかになるとそれくらい」
好きな洋服の転売を見かけた人は…
30代
「あります、あります」
「欲しかった服が高く売られていて、悔しい思いをすることが多々あります」
50代
「欲しくて買ってるのか、転売目的で買ってるのかわからない。制限するのも難しいんじゃないかなと思う、店側もね」
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先週、新たな対策を打ち出したのが、高価なゲーム機などがそろい、免税で外国人観光客に人気の家電量販店です。転売につながる行為を減らすため…
ビックカメラAKIBA 前田秀二副店長
「レジでパスポートをスキャンする際に『人気商品を複数ご購入されています』という警告が出ます」
その仕組みは、まずレジでお客さんがパスポートを提出します。店員がスキャンした際に、他店を回って同じ商品を買ったり、時間帯をずらして同じ店に来たり、“怪しい行為をしている”とシステムが判断すると、自動で店員に警告を発し、客に販売を断るといいます。
ビックカメラAKIBA 前田秀二副店長
「転売される商品に関しては人気商品が多いので、一般のお客さまが欲しいものが買えないという状態になってしまうので、今後もしっかりと抑制をしていきたい」