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親に比較された経験あり5割以上…小中学生のホンネは? 家庭・学校生活、将来にも影響が…【#みんなのギモン】

2024年8月3日 21:16
親に比較された経験あり5割以上…小中学生のホンネは? 家庭・学校生活、将来にも影響が…【#みんなのギモン】

日本テレビは、Yahoo!きっずとエビデンス共創機構と共同で、こどもたちにアンケートを行いました。集まった全国の小中学生およそ1300件の声を分析すると、様々なホンネがみえてきました。

今回の#みんなのギモンでは、「比較はこどもに悪影響?」をテーマに、2つのポイントを中心に解説します。
●どうしたら「比較」やめられる?
●家族で夕食、良い影響?

■「できる・できない」親から言われたら…

鈴江アナウンサー
「まずは、たのさんとなつきさんに質問です」

たのさん・なつきさん
「はい」

鈴江アナウンサー
「たろうさんに対してお母さんが『同じクラスのはなこさんは逆上がりができるのに、たろうはどうしてできないの?と言っています。こんな場面をみてどんな風に思いますか」

たのさん(小5)
「比べ方でも、いい比べ方もあるけど、『どうしてできないの』は悪い比べ方だから、いやです」

なつきさん(小5)
「比べられるような言い方をされても、素直に聞こうという気持ちになれなくて、言われたことがコンプレックスになってモヤモヤするから、ちょっとやめてほしいです」

■親に比較された経験…どんなことで?

鈴江アナウンサー
「今回のアンケートで、ふだん親があなたと誰かを比べることが『よくある』『時々ある』と答えたこどもたちが50%を超えていたんですね」

「どんなことで比べられたのか、最も多いのが75%の子どもが答えた、勉強のこと」

■誰かと比べられたら「いや」

鈴江アナウンサー
「比べられた時、どんな気持ちになったか――およそ7割のこどもが『いやだった』『少しいやだった』と答えています」

■親に比べられたこどもの気持ち

鈴江アナウンサー
「なかにはこんな答えもありました。『自分を責めるような気持ちになった』『自信がもてなくなった』『嬉しいときとイヤなときがある』――このなかで、なつきさん、共感するものありますか?」

なつきさん(小5)
「自信がもてなくなった、とありますけど、私が比べられるのは性格のことで、ちょっと控えめなところがあるので、友達だったらもっと元気に、あいさつだと大きな声でハキハキしていると比べられる。あいさつするときに気にしちゃって、あの子だったらもっとうまくやるのかなとか、自信がもてなくなるので、すごく共感します」

■比較され…満足度が低くなること

鈴江アナウンサー
「次に、比較されることがこどもたちにどう影響するのか?」

「こどもの教育分野での調査、データ分析などを行うエビデンス共創機構代表理事の伊芸さんに、今回のアンケート結果を分析してもらいました」

「すると、親に比較された経験があるこどもは、家庭での満足度が低く悩みがあっても親に相談しない傾向がありました」

「また、学校での満足度も低く、学校に行きたくないと感じる傾向があることもわかりました」

刈川キャスター
「やはり、こどもの頃はコミュニティが家庭か学校か、なので、いかに家で相談したり甘えたりできるかというのが、学校での満足度にもつながるのですね」

森アナウンサー
「安心感かな」

■あらゆる生活面に影響も…

鈴江アナウンサー
「教育についてさまざまな研究データを分析する教育経済学者の中室さんは、こどもたちが『比較されたときに自信を失い、自分に満足がいかなくなってしまう。これが家庭や学校、あらゆる生活面に影響しているのではないか』と分析していました」

「さらに、比較されて集団の中で(自分の)順位が低くなると、数年後の学力が下がったり、大人になった時の賃金が低かったりと、長期にわたって様々な影響があるという研究結果もありました」

「街の人たちにも、どんな時に比べることがあるのか聞いてみました」

主婦(40代)長女(22)二女(9)
「長女は、何も助言しなくてもできてしまうんですけど、二女の方はものすごい心配で…比べてしまいます」

――お姉ちゃんと比べられちゃうことは?

二女(9)
「ひどい。がんばってるもん!!って思う時もあります」

双子(小6)の保護者
「双子なので成績の違いとか。バスケもやっているので、こっちはゴール決めたのに何であなたはゴール決めないの?とか…どっちもできてほしいので、つい期待して言ってしまいます」

■どうしてできない?と言われたら…

鈴江アナウンサー
「親としてはこどもに成長してもらいたい、やる気を出してもらいたいと思って、ついつい比較してしまうことあるのですが…」

「たのさん、こどもの立場からみるとどうですか?」

たのさん(小5)
「親はこういう思いで言ってくれているんだなと思うと嬉しいは嬉しいけど、でも言い方がいやです」

鈴江アナウンサー
「では、どんな言葉をかけたら、やる気が出ますか?」

たのさん(小5)
「アスリートの人とかがこういうことをやっているから、やってみたらとか言ってもらえたらやる気が出ます」

森アナウンサー
「ポジティブに声をかけるということか」

鈴江アナウンサー
「なるほど。なつきさんは、どう声をかけられたらやる気が出ますか?」

なつきさん(小5)
「これはできなかったけど、これはできたね、みたいに肯定的に言ってもらえるとやる気が出ます」

■過去の「本人」と比較OK

鈴江アナウンサー
「中室教授によると、過去の自分と比べてどれぐらい成長したか、どれぐらい変化したか、そういう比べ方をすると、子どもたちの自信や意欲につながると」

鈴江アナウンサー
「まさに、なつきさんが言ってくださったみたいに、過去の自分と(比べて)どれくらい成長できているか肯定してあげる」

森アナウンサー
「他人じゃなくて過去の自分を乗り越えたか、ということですね」

鈴江アナウンサー
「たとえば、ドリルがなかなか続かなかった子に『計算ドリル忘れずに3日連続でやっているね』――なつきさん、これってどうですか?」

なつきさん(小5)
「ほめられてからだと、聞こうかなという気持ちになれて、やる気が出ます」

森アナウンサー
「何でやってないの?じゃないんだよね、そうだよね」

刈川キャスター
「われわれ大人でも勉強になります」

■夕食を「家族と」…満足度「高」

鈴江アナウンサー
「家族で夕食…良い影響?ということで、みなさん、ご家族で夕食をとりますか?」

たのさん(小5)
「はい。家族で食べます。ちゃんとあつまるときはないけど…1人では食べません」

なつきさん(小5)
「お父さんが早い日は家族で食べるけど、だいたいお母さんと2人で食べています」

鈴江アナウンサー
「今回の調査では、およそ9割が家族と食べている。1割のこどもが、ひとりもしくはきょうだいだけ、塾などで友だちと食べていると答えています」

「これを他の回答と併せて分析すると、家族で夕食を食べているこどもの方が家庭の満足度が高く、学校生活の満足度も高いという結果がみられました」

森アナウンサー
「学校生活にも影響してくるのですね。ただ、私も帰る時間が遅くなることがありますし、今のお子さんは習い事で忙しいですよね。なかなか一緒に食べられないという場合はどう考えたら…」

鈴江アナウンサー
「そういうご家庭も多いと思います」

■親子で質の高い時間を過ごす

鈴江アナウンサー
「中室教授によりますと、食事の時間はこどもと向き合う時間になりやすいと。ただ、だからといって食事にこだわる必要はなくて、こどもと接する質の高い時間を意識すればいいのではないかと」

「質の高い時間というのは、親子でたわいもない会話ができるとか、こどもがやりたいことを見守る。一方で質の低い時間というのは、会話がないとか親がやっていることをこどもが見ているだけということです」

「研究によると、質の高い時間がこどもの成長には良い影響があるとわかるので、質を意識したいですね」

森アナウンサー
「わかりました。見守って話しかけます」

■実はもっと…親と話したい!

鈴江アナウンサー
「今回の調査では、およそ7割のこどもが親と『話したい』『とても話したい』と答えています。たのさんは、どんなときにお父さんやお母さんと話したいなと思いますか?」

たのさん(小5)
「学校とかで人にほめられた時に、お母さん、お父さんに話したいなって思います」

鈴江アナウンサー
「嬉しい気持ちを知ってもらいたいとなりますか。なつきさんはどうですか?」

なつきさん(小5)
「嬉しいこととか悲しいことがあって、感情を共有したいときに話したくなります」

森アナウンサー
「感情を共有したいんだね」

鈴江アナウンサー
「自分の気持ちを知ってもらいたい、という気持ちがあるのかな。どうですか、森さん、お2人の話を聞いて…」

森アナウンサー
「自分のこどもに対して悪意を持って接する人はほとんどいないと思う。良かれと思っているけど、あくまで自分の立場の良かれであって、こどもから見ると親の愛情をストレートに受け取れていない時がある。こどもの目線で親の行動を見直すというのが大事だなと思いました。感情を共有できるように(こどもと)話したいと思います」

鈴江アナウンサー
「こうしたこどもたちの声を、日常を見直すきっかけにしていきたいと思いました」

(8月2日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

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