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女性と年金 35歳独身、アルバイト女性 年金いくらもらえる?【国際女性デー】

2025年3月11日 12:05
女性と年金 35歳独身、アルバイト女性 年金いくらもらえる?【国際女性デー】

若い世代には、将来受けとる年金がどれくらいなのか、気になる人も多いのでは?そこで、35歳独身でアルバイトで働く女性をモデルケースとして、試算した結果をお伝えします。(社労士・井戸美枝さんに監修をお願いしました)

りえさん(仮名)は35歳、芸術系の大学を卒業後、いろいろなアルバイトをし、東京都内の実家で両親と暮らしています。結婚の予定は今のところないという例で考えます。

今は在宅でできる仕事を時給1200円で毎日3時間、週に4日、つまり週に12時間、月に48時間働いています。月給は1200円×48時間で約5万7600円、年収約69万1200円です。りえさんは家賃や食費も不要なので、生活できていますが、もう少し収入があった方がいいし、将来、両親が亡くなり、1人で暮らすことになると、生活が維持できるか不安もあり、将来受けとる年金額を知りたいという想定です。

仮に、りえさんがアルバイトの時間を週20時間にまで増やした場合も計算してみましょう。

もし、1日2時間勤務時間を長くし、1日5時間、週に4日、20時間働くとすると、時給1200円×20時間×4週間で月給は約9万6000円になります。

実は、週20時間以上働くかどうか、月給が8万8000円以上かどうかが、年金を考える時、大きなカギになります。りえさんの年金の種類がアルバイトや無職の人が入る「国民年金」から会社員が入る「厚生年金」に変わり、将来の年金額が増えることにつながるからです。

今は従業員51人以上の企業やお店などでアルバイトして、上記条件を満たすと厚生年金に入ります(学生を除く)。小さい個人商店などの場合は対象外ですが、今後は、もっと規模の小さい企業やお店でも、週20時間以上働くなど条件を満たすと厚生年金に加入できるよう、制度改正が検討されています。

実際に年金額を試算してみましょう。

まず現状の週12時間働く場合です。年金の保険料を20歳から60歳になるまで40年間すべて納めると、65歳から満額の年金が受け取れるので、月に6万9308円、1年間に83万1700円です。(りえさんが実際に65歳になる時点の年金額は現時点では確定していないので、2025年度の金額で試算します)

一方、週20時間働くことにして、時給1200円のまま(実際には賃上げがあるかもしれませんが)、今後60歳まで25年間働くと仮定した場合は、表の右側のようになります。年金の種類が「厚生年金」に変わるので、上に出てきた月に6万9308円の年金がもらえるほかに、緑色の数字、月に13425円、年間でみると16万1100円の厚生年金が上乗せされるという試算結果が出ました。

75歳までの10年間で上乗せされる年金額の累積は160万円以上、90歳となると累積で400万円以上上乗せされる計算です。

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