新聞記者の棋士・一力遼九段が「棋聖」獲得 井山裕太五冠が敗れる
囲碁界最高のタイトル「棋聖」を争う棋聖戦七番勝負で、史上最多の9連覇していた井山裕太五冠(32)が敗れ、棋士であり新聞記者でもある一力遼九段(24)が新たに「棋聖」を獲得しました。
囲碁の最高棋戦「棋聖戦」の七番勝負で、17日から第7局が京都市の仁和寺で行われていましたが、棋聖戦史上最多の9連覇を果たしていた棋聖の井山五冠が敗れて4敗目を喫し、宮城県出身の挑戦者・一力九段が新たに「棋聖」のタイトルを獲得しました。
24歳の一力新棋聖はプロ棋士として活動しながら、早稲田大学を卒業後、父親が社長を務める東北地方の新聞社・河北新報社に入社し、記者としても活動しています。
日本棋院によりますと、兼業の棋士が囲碁界最高のタイトル「棋聖」を獲得するのは初めてで、一力新棋聖には獲得賞金4500万円が贈られます。
対局直後の記者会見で一力新棋聖は次のように語っています。
――結果について
「予想外でした」「昨年は碁聖(のタイトル)を失ってから、自分らしい打ち方がわからなくなって(中略)今年は結果を気にせず自分らしくやれればそれでいいかなと思って臨みました」
――井山さんに勝利したことについて
「勝ったといえども内容的には及ばない部分が多いと思いましたし、勝った碁は紙一重、負けた碁は大差ということが多かったので、そういう意味でも実力的には及ばないのかなと思います。ただ、勝負を制することが自分自身にとって自信になりました」
――地元の東北地方の地震について
「気になっていました」「自分にできることは目の前の対局をやることだけなので、それに集中しようと」
記者:いい結果を届けられて一力さん自身もうれしいところ?
「そうですね」
(画像は日本棋院のYouTubeより)