防災教育を推進へ…「流域治水」を自分事に 国交省
豪雨災害が頻発する中、従来のダムや堤防整備だけに頼らずに流域全体で水害対策を行う「流域治水」の取り組みが各地で進んでいます。国土交通省は、多くの人にこの取り組みを自分事として考えてもらうため防災教育や災害の伝承などを推進する方針を示しました。
国土交通省によりますと、2020年までの10年間で水害や土砂災害が1回以上発生した市町村は1700で、全国の98%にあたるということです。
地球温暖化の影響もあり、近年、数十年に一度の豪雨が各地で降るなど災害が激甚化して、ダムや川の堤防の整備など従来の治水対策だけでは通用しなくなっています。このため、国は、流域に水がためられる場所を確保するなど流域の自治体や住民などが一体となって水害対策を行う「流域治水」に取り組んでいますが、その必要性や意義について認知度が低いことが課題だといいます。
国土交通省は、水害のリスクを自分事として「流域治水」に取り組む住民や企業を拡大しようと、有識者による検討会を立ち上げ議論を進めてきました。
19日に開かれた検討会では、学校の教育課程に防災への備えを入れることや、地域の災害から得た教訓を子供たちに伝えるなどの取り組みを進めることや、流域治水の対策を講じた企業などには税制優遇や補助金の交付の支援をするといった案が示されました。
国土交通省は具体的な施策について、早ければ今月中にも取りまとめたいとしています。