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静岡市清水区の大規模断水 トイレなど「“賞味期限切れの水”でしのいでいる」 全域での復旧は

2022年9月29日 1:50
静岡市清水区の大規模断水 トイレなど「“賞味期限切れの水”でしのいでいる」 全域での復旧は

静岡市清水区の大規模断水は28日夜時点で、3万戸以上で続いています。静岡市は「10月5日までに、清水区全域での復旧を目指す」としています。ある住民は「トイレや洗濯も“賞味期限切れの水”を使うなどして、しのいでいる」ということです。

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静岡市清水区で28日午後5時すぎ、車道には車の列が長く伸びていました。段ボールを車内に運んだ男性に、運転手は「ありがとう」と伝えました。受け取っていたのは、飲料水です。断水被害に見舞われた清水区の住民たちが、無料配布された水を求め並んでいたのです。

――水もらえて、どうでした?

運転手
「いやー、もうありがたいです。お風呂も入れなくて…」

暗くなった午後5時半すぎでも、水をもらうために、まだ車の列ができていました。

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和菓子店「田子の月」社長は、店頭の机の上にに並べた食料品や飲料品などを見せてくれました。「全国各地から頂いた支援物資を店に集めて、お配りしています。『こういう活動してくれて、本当に助かるよ』という言葉を頂けるのがありがたいです」と話します。

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約6万3000世帯にのぼる大規模な断水が発生してから、28日で5日目となりました。27日、巴川ブロックと興津ブロックの半数近い約3万1000世帯では、トイレや洗濯などに使える生活用水が供給されていました。

28日午後5時ごろ、静岡市の担当者は「先ほど午後4時ごろ、水質に異常がない検査結果が出ました。このことにより、飲用可能となります」と明らかにしました。

土砂や流木が詰まり、断水の原因となっていた興津川の承元寺取水口では、自衛隊員が命綱をつけながら撤去作業にあたり、終了しました。

そして、水道管を水で満たして洗浄する“充水作業”や“水質検査”が行われた結果、巴川ブロックと興津ブロックの約3万1000世帯は28日から、「飲み水としての使用も可能になった」ということです。

残る3万2000世帯ほどは、10月2日までに飲み水として使用可能になる見通しです。

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ただ、私たちが出会った静岡市清水区の吉田鉄夫さんの自宅では、28日夜の時点でも飲み水はおろか、生活用水すら出ない状態でした。

自宅が今も断水している吉田鉄夫さん(78)
「これ、これ。全然出ない」

――一番、何がきつい?

吉田鉄夫さん
「やっぱ、風呂の水ないのきつい。しのいできたのは、こうやって(水を)もらって、もらってだよな。こういうの(袋に入った水)を5つ入れたって、風呂の(水位)いかない」

吉田さんは水が入った袋を両手で持ち上げ、見せてくれました。

――風呂は我慢?

吉田鉄夫さん
「うん。風呂の洗い場で体洗って、流した」

吉田さんは、トイレや洗濯も“賞味期限が切れた水”を使うなどして、しのいでいるといいます。

吉田鉄夫さん
「本当にこうなった時には、(水が)ありがたいと思うよ。こうやってやりゃあ、出るもんな」

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大規模な断水で、支援の動きも広がっています。

回転ずしチェーン「くら寿司」は、清水区内で臨時休業していた店舗の駐車場で、生活用水の無料給水を実施しました(28日で終了)。また、29日午前11時から、店舗に残っている2リットルの水・80本を無料で配布するとしています。

さらに、清水区にある寺の前には「井戸水あり。飲水には×。24hOK」と手書きの看板が掲げられていました。地元の寺も協力し、断水を乗り切ろうとしていました。

静岡市は清水区全域での復旧について、「10月5日を目指す」としています。

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