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【解説】関東に接近へ…「台風13号」今後の進路は? 線状降水帯発生のおそれも

2023年9月6日 18:59
【解説】関東に接近へ…「台風13号」今後の進路は? 線状降水帯発生のおそれも

6日(水)は秋雨前線や湿った空気の影響で各地で雨が強まりました。今後の雨の見通しや、週後半、関東に接近するおそれがある「台風13号」の進路などについて、気象予報士の木原実さんに解説してもらいました。

   ◇◇◇

6日(水)は西日本から北日本の広い範囲で雨が降り、非常に強い雨や猛烈な雨が降った所もあるなど、雨の降り方が強まりました。

雨雲の様子を、6日(水)に日付が変わった所から振り返ってみると、日本海側には秋雨前線の雨雲が、そして太平洋側には熱帯低気圧による雨雲がそれぞれかかっていて、これが時間とともにそれぞれ東に広がりました。特に北陸・東北付近や、紀伊半島・東海付近では活発な雨雲が長い時間かかり、局地的に非常に激しい雨や猛烈な雨が降った所もありました。

そして午後4時半現在は、東海から東北南部にかけて活発な雨雲がみられ、関東北部でも帯状の活発な雨雲がかかり、栃木県や茨城県内では土砂災害警戒情報が出されている所があります。

――この大雨は、北上中の台風も影響している?

はい。この雨の原因は、2つあります。ひとつは北日本から山陰付近に停滞している「秋雨前線」。そして、もうひとつが四国沖にある台風12号から変わった熱帯低気圧と、日本の南にある台風13号です。

この熱帯低気圧も、元々が台風なので、激しい雨を降らせる非常に湿った空気をたっぷりと持っています。

この熱帯低気圧や北上中の台風13号からの湿った空気が秋雨前線に流れ込んでいるため、前線の活動が非常に活発となって、各地で激しい雨を降らせているのです。

今後の雨の予想を見てみると、この後もしばらくは東海や関東、そして北日本で活発な雨雲がかかる時間がありますが、夜遅くには、本州の雨は小康状態になってくる見込みです。

ただ、注意していただきたいのが、伊豆諸島です。伊豆諸島では夜以降も活発な雨雲が通過し、ライン状の降水帯がかかる予想となっています。気象庁は、伊豆諸島や東海地方では7日(木)午前にかけて線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まるおそれがあるとして注意を呼びかけています。

――そしてその後、台風13号も迫ってくる?

はい。午後3時現在、台風13号は南大東島の東にあって時速25キロで北上中です。台風はこの後もあまり発達しないで北上を続け、8日(金)から9日(土)にかけて関東や伊豆諸島に近づくおそれがあります。

伊豆諸島では7日以降、風や波の影響が出てきそうですが、台風の接近に伴って、関東でも大雨となる可能性があります。気象庁が発表している早期注意情報(警報級の可能性)によると、8日(金)は関東、伊豆諸島の全域で大雨警報の可能性が「中」となっています。

まだ台風の進路や接近のタイミングには不確実性が含まれていますが、関東に大きな影響を及ぼす可能性もありますので、引き続き最新の台風情報にご注意ください。