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再開した和菓子店 支援物資の配送“打ち切り”自主避難者も 発災2か月…広がる差

2024年3月2日 7:37
再開した和菓子店 支援物資の配送“打ち切り”自主避難者も 発災2か月…広がる差
発災から2か月となった能登半島地震。壊滅的な被害を受けた輪島市の和菓子店では、ようやく一部の商品の販売が再開されました。一方、自主避難を続ける男性は、今月から物資の配送が打ち切りに。「いつまで頑張ればいいのか」と涙ながらに訴えました。

■“壊滅被害”も製造再開へ…菓子店「今やれる環境のなかで進めていこうと」

1日、石川県の金沢駅にある土産物店には、被災した菓子店で作られたプリンがずらりと並んでいました。

山形から出張で来てプリンを購入した人
「買うことによって支援につながればいいなと」

輪島市の工場が被災したため別の厨房を使って2か月ぶりに製造を再開。昼過ぎには、約200個が完売しました。

「news zero」の中島芽生キャスターは、その被災した店を訪ねました。輪島市で老舗和菓子店を営む中浦政克さん。

老舗和菓子店を営む中浦政克さん
「ここですね、うち。きれいに焼けましたね。もう2か月たったのか、そんな印象ですね」

輪島にある工場と、4店舗中3店舗が使えない状態になった中浦さんの店。地震で多くのものを失うなか、2か月を前に見つけたのは、地震後も奇跡的に電気が通っていて、無事だったという輪島朝市の名物「えがらまんじゅう」です。

冷凍庫に保管されていたものが販売できるのか、この日初めて確かめるといいます。

中浦政克さん
「おいしい! 思ったより全然いい! やわらかいし良かった」

発災から2か月。今、販売できているのは、プリンだけですが、次は輪島市でこのまんじゅうを“復興朝市”のようなかたちで販売したいといいます。

中浦政克さん
「軒下かテントとか、とにかく今やれる環境のなかで進めていこうと思ってます」

一歩ずつ、前へ。

■支援物資“最後の配達”「いつまで努力すればいいのか…」

一方、輪島市に住む保靖夫(ぼう・やすお)さんは、地震発生当日から近所の人とともにビニールハウスで自主避難を続けています。

保靖夫さん
「配達を打ち切るということで、ちょっと困ってる」

これまで市から毎日2回届けられていた支援物資の配達が、「人員確保」などの理由から2月末で打ち切りになったのです。

そこへ、“最後の配達”がきました。

配達業者
「たくさんありますよ。これで終わり。今日で終わりなもんで、お世話になりました」

保さん
「いやいや、こっちこそ、いろいろありがとう。ありがとうございました」

今も自主避難所が23か所ある輪島市。今後は、近くの拠点へ避難者が自分たちで物資を取りに行くことになります。

保さん
「仮設住宅のことでも、ある期間というか、いつ頃までにやろうと思ってるのでとか、その間だけはみんなで頑張ってくれとか、いつまで努力すればいいのか、それすらもはっきりいってわからないという感じ」

■それぞれの状況がバラバラに…

それぞれの状況がバラバラになってきているなか、どのように支援をすれば良いのでしょうか。「news zero」に出演した俳優の影山優佳さんに聞きました。

中島芽生キャスター
「このように2か月たって自立にむけて進んでいる人もいるんですが、一方でまだまだ支援が必要な人もいて差が広がってきているなと感じました」
「2か月でそれぞれの状況がバラバラになってきているからこそ、被災者一人ひとりに合わせた支援が必要になってきていると感じました。影山さんはいかがでしょうか?」

影山さん
「現地は変わらず寒さや雨で眠れない夜もあると思うので、物資やライフラインなど引き続き補てんされていけばいいなと思いますし、私自身もできることをしていきたいと思います」

中島キャスター
「募金を続けていると聞きました」

影山さん
「はい。週に1回、本当にささいな額ですが、継続して募金するようにしています。この募金サイトを開くという作業で、その時は被災地のことを考えられる時間にもなるので、自分の中で風化させないためにも続けています」
「被災者の人たちは孤独を感じたり不安に支配される日もあると思うのですが、いろんな人が応援しているのは確かだと思うので、2か月たった今だからこそ“1人じゃない”というふうに思ってほしいです」

中島キャスター
「防災で気をつけていることなどはありますか」

影山さん
「防災バッグというものを作るようにしていて、そこに食料や水、タオルや靴、ライトなどを入れています。他にも家族全員で被災した時に集まる場所を確認するという作業も続けています」

(3月1日放送『news zero』より)

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