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【解説】千葉県東方沖で“地震”相次ぐ…地殻変動「スロースリップ」とは

2024年3月2日 17:32
【解説】千葉県東方沖で“地震”相次ぐ…地殻変動「スロースリップ」とは

先月下旬から続いている千葉県東方沖やその周辺の地震活動ですが、気象庁によりますと2日午前1時49分ごろ、千葉市や一宮町などで震度4を観測する地震がありました。房総半島周辺では先月27日から地震活動が活発になっていて、このおよそ2時間後にも震度3の地震が起きています。

この千葉県東方沖ではいま何が起きているのか?そして注意点は?社会部災害担当・中濱弘道デスクとお伝えします。

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房総半島周辺では先月27日から地震が多くなり、2日午後3時までに27回の体に感じる地震が起きています。

1996年以降の千葉県東方沖の地震活動のグラフを見ると、もともと地震が多いエリアですが1996年以降、地震活動が活発になった時期が6回あり、それとほぼ同じ時期に「スロースリップ」という地殻変動が起きていたことが分かっています。そして今回も「スロースリップ」が起きているということです。

房総半島周辺では南から「フィリピン海プレート」が陸のプレートの下に沈み込んでいます。今回地震が起きているのはこの「フィリピン海プレート」と陸のプレートの境界付近になります。

一般的にプレート境界の歪みが解消すると大きな地震になってしまいますが「スロースリップ」は非常にゆっくり、少しずつ動くため大きな揺れにはなりません。

──どうして今回、揺れが起きているのでしょう?

房総半島付近のプレート境界には「固着域」と呼ばれる、岩盤同士のくっつきが強い部分があってブレーキをかけていますが、その部分が踏ん張りきれなくなってずれ動くことによって今、震度3や震度4になるような地震を起こしていると考えられます。

そして過去の活動では「震度5クラス」の地震も起きています。

──これまでより少し大きい地震にも注意が必要でしょうか?

いますぐに出来る備えとしてリビングなどの家具の固定があげられます。特に、寝室などでは高い場所にある落ちやすいものをあらかじめ床に置いておくなど出来ることから対策を進めてください。

政府の地震調査委員会も当面の間は活動が続く見込みとみています。陸地の下が震源になると大きく揺れて震度5弱程度の揺れになることも考えられますので、十分な注意が必要です。

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