“統一教会”解散命令請求で初審問 教団に焦り?“新たな動き”とは…【バンキシャ!】
世界平和統一家庭連合いわゆる”統一教会”。解散命令請求の審理が進むなか、22日、国と教団側双方の意見を聞く「審問」が行われた。教団は韓国で布教活動にあたる若者を激励。さらに「解散は不当」と訴える新たな動きを元信者が証言した。【バンキシャ!】
24日、三重県津市の文化施設では、あるイベントが――
バンキシャ
「イベントに参加される方々が会場に入っていきます」
行われていたのは、世界平和統一家庭連合いわゆる“統一教会”の友好団体、そのトップが出席する講演会だ。講演を聞きに来たという人は――
バンキシャ
「審問が行われましたが、どう感じてますか?」
関連イベントに来た人
「そうですね、いきなり言われても…家庭連合の正当性が本当に認められると良いなと思っています」
バンキシャ
「普段の活動に変化は?」
関連イベントに来た人
「すみません、始まるので…」
――この2日前(22日)には、教団の行方を左右する動きがあった。
記者「審問に出席するため教団の関係者が東京地裁に入ります」
日本法人のトップ、田中富広会長が東京地裁へ。裁判所が解散命令を出すか判断するため、教団側と国側双方の意見を聞く「審問」が初めて行われたのだ。時間にして1時間弱。田中会長はこう訴えたという。
田中富広会長
「安倍元首相がテロリストの凶弾に倒れ、その犯人の願いどおりに国家が全権力を動員して、当法人の解散を目指して尽力するなど、極めて異常な事態と言わざるを得ません」
解散命令が下されるか、否か。揺れる“教団のいま”を取材した。
――教団の実態は? “審問”…その当日も
審問が行われた、まさにその日(22日)。韓国の教団施設から、ある集会の様子が生中継されていた。現れたのは、韓鶴子(ハンハクチャ)総裁だ。すると…
信者たち
「真のお母様、お会いしたかったです!」「私たちは神TOP GUN!」
教団の機関誌などによると、「神TOP GUN(しんトップガン)」とは、若いエリート信者を宣教師として世界各地へ派遣すること。この日の集会は“出征式”と題され、世界に派遣される若者を総裁自ら鼓舞していた。
――この集会を、現役の2世信者はどう見たのか。
“統一教会”2世信者
「TOP GUNの出征式、出発式は見たことない。初めてだと思います」
そして、この大々的な集会に、教団のある“狙い”を感じたという。
“統一教会”2世信者
「日本で騒動があって2世も減るし、教会員も減るし、教会のイメージはガタ落ちだし、というところで普通に宣教師を送り出すだけじゃなくて、宣教に力を入れていくアピールを教団側がする必要があったと思う。自分からしてみれば滑稽ですけどね。日本ではこういうこと(解散命令請求)が起きていて、韓国では真逆のことが起きていて」
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また、元2世信者は最近、“教団の焦り”を感じることがあったという。見せてくれたのは、“審問”翌日の23日、教団職員から親族の元に送られてきたというメッセージだ。
(審問翌日に送られてきたLINEの文面)
「人権と信教の自由を守る集会」に備えて、宗教法人320ヶ所に対して、エリアの全教会で、訪問による呼びかけを行うことになりました。
解散命令請求は不当だと訴える集会に参加するよう、統一教会以外の宗教法人にまで呼びかけるというのだ。
元2世信者
「『信教の自由を一緒に守りましょう』という言い方で、賛同者を集めていくんだと思います。信者を多く使って、今までの選挙支援のように(呼びかけを)やっていくのは初めてなんじゃないかなと思います」
だが、多額の献金を行う両親の元で苦しみ続けてきた身として、(元2世信者は)解散命令を強く求めている。
元2世信者
「献金は直近でわかっている分だけでも500万円は超えるんですけど、記録ない過去にさかのぼると、それ以上になると思います。学費がないということで大学も諦めましたし。この苦しみをもう繰り返したくないですね、次の世代に」と話した。
*2月25日放送『真相報道バンキシャ!』より