【気象解説】数年に一度の大寒波、再び…週末にかけ“災害級大雪”おそれ
数年に一度の強い寒波の影響で、広い範囲で大雪が続いています。7日(金)夜から再び強烈な寒気が流れ込む見込みで、その影響が心配されます。今後の見通しなどを、気象予報士の木原実さんに聞きました。
連日のように「数年に一度の大寒波」とお伝えしていますが、寒気は多少の強弱を繰り返して居座っている状態です。上空1500メートル付近の寒気、7日(金)朝の段階で、平地で雪を降らせる目安となる「-6℃」の寒気が列島をすっぽり覆っています。
7日(金)夜には徐々に大雪の目安となる「-12℃」、さらに強い「-15℃」の寒気が西日本の一部まで南下してくる見込みで、雪の降り方が一段と強まるおそれがあり、警戒が必要です。その後は徐々に強い寒気は抜けていき、来週になるとようやく、長かった大寒波の出口が見えてきます。
8日(土)と9日(日)の予想天気図を比較します。注目すべきは「等圧線」。両日とも等圧線が「縦縞(じま)」なのは変わりませんが、その幅を比べると8日(土)に比べて9日(日)の方が「広い」ことが分かります。
等圧線の間隔が狭ければ狭いほど風が強まるため、天気図上でも徐々に回復傾向であることは確認できます。ただし冬型であること自体は変わらないため、引き続き雪への警戒が必要です。
7日(金)夕方時点で日本海側を中心に四国や近畿、大阪周辺でも一部で雪が降っている状況です。夜以降も発達した雪雲が次々と流れ込む山陰から東北にかけて雪の降り方が強まる見込みです。
8日(土)朝は太平洋側、名古屋など東海地方の平地でも積雪となる可能性があるため、東海道新幹線など公共交通機関への影響も心配されます。
警報級の大雪となる期間を見てみても、7日(金)夜は東北、東海、近畿、中国地方。日本海側を中心に風も強まりますので猛吹雪に警戒が必要です。8日(土)は関東甲信でも警報級の降り方となる可能性があります。ただ、徐々に大雪のピークは過ぎ、10日(月)には長く続いた大寒波にようやく出口が見えてきました。
改めてですが、8日(土)9日(日)は災害級の大雪、大規模な立ち往生や交通障害などが発生するおそれもあります。十分に警戒してください。
(2月7日午後5時ごろ放送『news every.』より)