"赤いネット"でアスパラガスの害虫防除
農作業が忙しくなる季節を迎えていますが、県の農業試験場では
農作物の害虫を防ぐ様々な研究を進めています。
その中である色の防虫ネットを使うとアスパラガスの害虫の被害を、
半分以下に抑えることが確認されました。
農家の負担軽減が期待されています。
秋田市雄和にある県の農業試験場では、
県内で作られる主な作物の品種改良や病害虫対策の研究を進めています。
今の時期から夏にかけて出荷が増える野菜のひとつがアスパラガス。
ビタミンが豊富で歯ごたえもあるアスパラは、県内でも多くの農家が栽培していますが
そのアスパラ農家を悩ませているのが
「ネギアザミウマ」といって主にアスパラやネギにつく害虫です。
体長はわずか1ミリほど。
暖かくなる5月ぐらいから増え始め、
アスパラにつくと茎の部分が変色し商品価値が低下します。
そこで農業試験場が取り入れたのが赤いネットです。
ビニールハウスの入り口や側面をこのネットで覆います。
蛭川泰成研究員
「ネットを張ることによって、害虫のハウスへの侵入が抑制されたということが、
結果として明らかになっております」
ハウス栽培では、側面を開けて風通しを良くすることがありますが、
ネギアザミウマは、ここからハウスに侵入します。
侵入を防ぐには、目が0.4ミリほどの細かいネットが必要です。
ただ、目の細かいネットは風通しが極端に悪くなり、
熱がこもることで、アスパラが病気に罹り易くなるそうです。
赤いネットは目が0.8ミリと適度に風が通るものの、
ネギアザミウマも通り抜けてしまいます。
しかし赤い色の視覚的な効果が、
害虫の侵入を通常の半分以下に抑えてくれるということです。
もともとは京都で、ネギの害虫を防ぐのに赤いネットが効果的だという研究報告があり、
それを基にして県農業試験場で検証し「アスパラ」にも有効だと確認されました。
アスパラだけではなくさまざまな農作物への導入が検討されている赤い防虫ネット。
農業試験場では農家の負担軽減につながるこの赤いネットの活用を
県内で広めていきたい考えです。