建設が進む成瀬ダムで打設完了式 東成瀬村
東成瀬村で建設が進む成瀬ダムの水をせき止めるダムの本体=堤体がほぼ完成し20日、打設完了式が行われました。全体のおよそ7割の工事が完了した成瀬ダム。順調に進めば再来年=2026年の冬から試験的に水を貯め始める予定です。
成瀬ダムは洪水の被害を軽減するほか、雄物川流域に農業用水と生活用水を供給する「多目的ダム」として国が建設を進めています。
水をせき止めるダムの本体=堤体は、現場で採掘した岩石にセメントなどを混ぜた、CSGと呼ばれるものを敷き詰めて作られています。
この工法では国内最大規模となる成瀬ダム。2019年から進められてきた提体をつくる工事がほぼ終わり、関係者約260人が集まって打設完了式が行われました。
「打設完了、万歳、万歳、万歳、拍手」
提体に使用された岩盤やセメントの量は東京ドーム3.5個分に相当する約428万立方メートル。高さは114.5メートルとなり貯水量は7850万立方メートルにのぼります。
成瀬ダムの工事を巡っては、今年度から始まった長時間労働の規制の影響で工期が1年延びたほか、人件費と資材価格の高騰で、事業費が当初から1000億円以上増加し約2600億円となる見込みです。
成瀬ダム工事事務所R 安部剛 事務所長
「非常に社会情勢が厳しくて大変なところなんですが、引き続き事業管理を進めながらいくらでもコスト縮減に努めて、事業費を少なくして対応できるようにがんばっていきたいと考えてます」
全体の約7割の工事が完了した成瀬ダム。今後、提体を覆うコンクリートの打設やゲートなどの整備が予定されています。順調に工事が進めば再来年=2026年の冬から試験的に水を貯め始める予定です。