「都民割」再開も“争奪戦”に… 「しまぽ通貨」は“一時停止”に…
6月10日に「もっとTokyo」、いわゆる「都民割」が再開されました。週末、早速、「都民割」を利用してお得に旅を楽しむ人の姿が見られました。その一方で、「都民割」に合わせて始まったプレミアム付き商品券「しまぽ通貨」にトラブルがありました。
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東京・港区にあるホテル「プルマン東京田町」は、ゆったりとした空間に、ロビーはモダンな内装が広がるロビー。自由にお酒や軽食が楽しめるクラブラウンジ。(一部の宿泊客限定)11日、東京・港区にあるホテル「プルマン東京田町」を訪れると、チェックインをする女性客の姿が見られました。
都民割利用客
「きれいだね。すごい。すごく外がきれいに見えて、中もきれいで。もう気分上がってます」
東京都民の2人は、10日・金曜日から始まった「都民割」で、早速ホテルにやってきたのです。
都民割利用客
「いつもなら、手が出ないかもしれないですけど、今回は利用してみたいなって」
「都民割」は、1人1泊あたり5000円が補助されます。(ワクチン3回接種済み、または陰性証明が必要)
さらに、プルマン東京田町では館内で使える5000円のクーポン付きプランもあり、あわせると1万円もお得に泊まれるのです。ただ、「都民割プラン」は、「数十秒で、すべて完売となってしまいました」(プルマン東京田町・広報 青木ゆかりさん)。
そこで、「都民割」を利用できなかった人向けに、急きょ、宿泊券のプレゼント企画を行うということです。
プルマン東京田町・広報 青木ゆかりさん
「みなさまの気持ちも明るくなって、少し盛り上がっていければいいなと思っております」
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旅行熱が高まる中、都内で自然を満喫できる東京・奥多摩にも、晴天となった12日、つりを楽しむ人の姿が見られました。
観光客
「自然を感じたいと思って、奥多摩に」
観光客
「楽しいです。初めてちゃんと魚が釣れました」
人気スポットに集まる観光客。しかし、「都民割」については争奪戦で、思うように予約が取れないこともあるようです。
観光客
「きのう、探しましたけど、ほとんど完売で、探すこともできなかったので、枠があまり多くないのかな」
苦戦を強いられてきた観光業に、ようやく“回復の兆し”が差し込んでいます。
13日、東京都で新たに960人の新型コロナウイルス感染者が確認されました。約5か月ぶりに1000人を下回り、観光への追い風が吹いていますが、トラブルも発生しています。
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「都民割」にあわせて販売が始まった都内の島旅で使えるプレミアム付き商品券「しまぽ通貨」が、開始から10時間あまりで販売と利用が一時停止となっていたのです。
美しい海が広がり温暖な気候に恵まれた伊豆大島は、観光は一時落ち込みましたが、11日と12日は一転、多くの観光客でにぎわいを取り戻していました。
ホテル白岩 白井岩仁・代表取締役
「旅行事業者さんへの予約も増えていますから、去年は厳しかったし、その前の年も厳しかったので、当然、右肩上がりではあります」
「都民割」と併用でき、島々の“救世主”となりそうな「しまぽ通貨」は、13日午後4時ごろにようやく販売と利用が再開しました。都の担当者は「御不便をおかけし、申し訳なかった」とコメントしています。
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約2年ぶりに再開された外国人観光客の受け入れへの期待も大きくなっています。
浅草 着物レンタル大吉 大友雄介店長
「待ちに待ったという感じで、楽しみにワクワクしています」
東京・浅草にある着物のレンタル店では、外国語版の料金表や地図を用意し、外国人が好む派手な色の着物をそろえるなど準備を進めています。ただ、受け入れに不安もあるといいます。
大友雄介店長
「外国はマスクをしない。嫌な思いをさせずに、マスクを必ずしていただくような工夫で言い方を考えています」
日本人にとっても、外国人にとっても、来店しやすい環境を整えたいということです。
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苦境にあえいできた観光業。期待と不安が入り交じりながら、回復へ向け歩みを進めています。