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スマホで現場の状況を送信――「映像付き110番」試験運用へ 逃走車両の特定に至るケースも メリットや課題は?

2022年9月29日 11:19
スマホで現場の状況を送信――「映像付き110番」試験運用へ 逃走車両の特定に至るケースも メリットや課題は?

スマートフォンなどで撮影した映像で目撃現場の情報を視覚的に伝える「映像付き110番」。その試験運用が10月、全国で始まります。警察官が駆けつける前に状況を把握できるため初動捜査がスムーズになると期待されています。その仕組みや課題とは?

■現場の情報を視覚的に…通報の仕組みは・・・

有働由美子キャスター
「映像付きで110番通報するという新しいシステムが、10月から全国で試験的に始まります。スマホで現場の状況を視覚的に伝えられるというものですが、どんな仕組みなのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「全国どこでも、スマートフォンやタブレット端末を持っていればできます。警察庁の資料によると、例えば交通事故の現場に遭遇したとして、まずは通常どおり電話で110番通報をします」

「担当者から『映像通報にご協力いただけますか?』と依頼があった場合、OKなら、ショートメッセージで送られるURLにアクセスします。(電話で)伝えられたアクセスコード4ケタを入力すると、リアルタイムの映像や撮影済みの映像や写真を送ることができます」

■現場に駆けつける警察官とも映像共有

有働キャスター
「そもそもなぜ導入しようとなったのでしょうか?」

小栗委員
「映像があると、初動の捜査がスムーズに行われることが期待されています。映像は通信指令室から現場に駆けつける警察官にも送られます」

「例えば28日の東名高速の(車両火災)事故でも、通報時に映像があれば、車何台が関係するのか、どんな規模の爆発かなど、警察官が駆けつける前に把握できます。事故だけでなく、街なかのけんかでも、何人がどんな風に暴れているのかなどの情報が伝わります」

「2年前から同じようなシステムを実施している兵庫県警では、実際に映像から傷害事件の逃走車両を特定したケースもあったといいます」

■警察庁「まずは通報者の安全確保」を

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「ハロウィンの深夜に、渋谷にあるオフィスの近くで騒ぎがあったので110番通報したことがあります。やはり少し緊張しますし、言葉で的確に状況説明をするのは難しかったので、動画で伝えられるのは合理的だと思います」

「ただトラブルの内容によっては、相手を刺激してしまって危険が及ぶ可能性もあると思うので、距離感や状況によっては怖いかなとも思います」

小栗委員
「まさに、通報者がトラブルに巻き込まれないかというのは課題です。警察庁は『まずは通報者の安全確保を促す』としています」

「また『映像送信などにかかるデータ通信料は自己負担です』といった留意事項に同意するなどいくつか手続きがあるため、多少時間がかかる点も課題です」

有働キャスター
「本格的な運用は来年4月からの予定ということです。効果的な運用のためにも、通報する人が安全で便利に使えるように改善していってほしいと思います」

(9月28日『news zero』より)

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