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「大川原化工機」えん罪事件 立件理由は「決定権持っている人の欲」

2024年10月9日 19:23
「大川原化工機」えん罪事件 立件理由は「決定権持っている人の欲」

えん罪が明らかになった機械メーカー「大川原化工機」の社長らが国などに損害賠償を求めた裁判の控訴審で、警視庁公安部の当時の捜査員が9日、証人として出廷し、事件を立件した理由は「決定権を持っている人の欲だ」と語りました。

「大川原化工機」の社長らは軍事転用可能な機械を不正に輸出したとして警視庁公安部に逮捕された後、起訴を取り消されました。

社長らが国と東京都に損害賠償を求めた裁判の控訴審で9日、当時の捜査員3人に対する証人尋問が行われました。

このうち、輸出規制を担当する経済産業省との打ち合わせに出ていた捜査員は、当初、捜査に難色を示していた経産省が突然、協力的な姿勢に変わった理由について、「警察上層部から経産省にお願いしたと認識している。係長が、『空中戦で上司にお願いしないといけない』と言っていた」と証言しました。

また、原告側から「そこまでして立件する理由はあったのか」と問われると、捜査員は、「組織としてはない。日本の安全を考える上でもない。決定権を持っている人の欲だった」と話しました。