はがき63円から85円に…値上げの方針 手紙は“30年ぶり” 背景に“郵便事業の苦境”
総務省がはがきの料金を現在の63円から85円にする方針を示しました。手紙も対象で消費税率の引き上げを除くと、手紙の値上げは30年ぶりとなります。
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いま郵便局では、年賀状の受け付け真っ最中です。
80代(東京・世田谷区、18日午後)
「年賀はがきを書いていたけど、足りなくなったので買いに来た。(追加で)15枚。(書くのは)70~80枚」
現在、はがきの郵送料は1枚63円ですが、これが早ければ来年の秋、85円に値上げされることになります。
母(50代)
「ちょっとあがりすぎだよねって話はしていた。どうするって感じ」
総務省は18日、はがきや手紙の郵便料金を値上げする方針を、総務省の審議会に示しました。はがきのほか、25グラムまでの手紙は84円から110円に。手紙が値上げされれば、実に30年ぶりのことです。さらに、レターパックや速達なども値上げされます。
背景にあるのは“郵便事業の苦境”です。2001年度、国内の郵便物の数は262億通でしたが、2022年度は144億通と、ここ20年でほぼ半減しています。
さらに、全国に17万5000余りある郵便ポストのうち、4分の1が毎月30通以下。つまり、4本に1本のポストが1日あたり1通以下しか投かんされていない状況なのです。
昨年度の収支は郵政民営化後、初めての赤字となっています。
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街の人の年賀状も年々…
30代
「本当に限られた人数だけ」
母(50代)
「何年か前までは出していたけど、ここ何年かは違う形で」
値上げの一報に、衝撃が広がった人たちもいます。
SNSでは「ヅカオタにはきつすぎる」「日本一普通郵便使ってるヅカオタに厳しすぎる値上げ」という声が聞かれました。
「ヅカオタ」とは、宝塚歌劇団のファンのこと。推しへの手紙やプレゼントの応募はがきなどをたくさん送るため、今回の値上げにショックが広がっているようです。
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総務省は「郵便事業の安定的な提供を継続するためには、早期の郵便料金の見直しを行う必要がある」などとしています。