生活保護受給しながら大学進学 “認めない”方針を継続
生活保護を受給しながら大学などに進学することについて、厚生労働省の生活保護などの制度の見直しを検討する部会は、引き続き、認めないとする方針を示しました。
生活保護や生活困窮者支援制度について5年をめどに見直しを進めている厚労省の部会は、6日、今後の見直しの方向性についての中間報告を取りまとめました。
その中で、これまで、生活保護の世帯から大学などに進学する場合には、保護の対象となる世帯の扶養対象から外れて自立して生活するものとしている現在の仕組みについて、現状のまま見直さず、引き続き、進学後は生活保護の受給を認めないとする方向性を示しました。
厚労省は、奨学金やアルバイトなどで、自ら学費や生活費を賄いながら大学などに通う人とのバランスを考慮すると、生活保護を受給しながら大学などへ進学することは、「最低生活保障の対象として認めることは困難である」としています。
一方で、報告書では「生活保護世帯の子供が大学などへの進学に意欲を持ち、その希望ができるだけ叶うよう支援することは重要である」とも記され、進学準備給付金などで支援していくとしています。
生活保護世帯での大学や専門学校などへの進学率は、去年39.9%で、最近では増加傾向であるものの、全世帯平均の83.8%に比べて大きく下回っていて、大学生への生活保護の適用を訴える声が上がっています。
厚労省は、年内にも見直しの方向性について報告書を取りまとめる方針です。