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【能登の地下で何が】3年前から相次ぐ群発地震 去年も"震度6強"…「週刊地震ニュース」でメカニズム解説

2024年1月3日 21:18
【能登の地下で何が】3年前から相次ぐ群発地震 去年も"震度6強"…「週刊地震ニュース」でメカニズム解説

2020年末から群発地震活動が続いてきた石川県能登地方。「週刊地震ニュース」では、この一帯の地震活動に注目してきました。これまで、地下の「流体」が要因の一つだとも言われてきましたが、今回の地震との直接的な関連はわかっていません。これまで3年間、周辺ではどんな地震が起きてきたのか。(※2023年5月8日「週刊地震ニュース」より)

■建物倒壊や土砂崩れ、さらに10センチの海面変動も

2023年5月5日、午後2時42分頃発生した地震では石川県珠洲市で震度6強を観測しました。震源は能登半島沖で地震の規模を示すマグニチュードは6.5、震源の深さは12キロでした。建物の倒壊や、土砂崩れなどの被害があったほか、震源が海底だったため、10センチの海面変動も観測されました。

その後も地震が相次ぎ、午後9時58分ごろにも能登半島沖を震源とするマグニチュード5.9の地震があり震度5強の揺れを観測しています。

■群発地震――移動する震源は?

2020年末以降、地震活動が活発になった能登地方では、青丸で囲まれたAからDのエリアで地震が集中して発生していました。2022年6月にはDのエリアで震度6弱の地震が発生していましたが、5月5日におきた地震もDのエリアです。ただ、これまでと異なるのが震源が能登半島の陸地の下ではなく、北側の海域だったということです。

夜におきた、震度5強を観測する地震も能登半島の沖合が震源です。5月5日の大きな2つの地震と、それにともなう地震活動は東西方向10キロ程度のエリアに集中していて、地震調査委員会では地下にある断層が活動したのではないかと見ています。

■相次ぐ地震、1日に58回の有感地震も…

2023年5月5日以降、5月8日午前8時までの地震発生回数です。震度6強があった5日は58回、翌日6日は12回、7日の発生回数は8回と徐々に減少しています。しかし、気象庁は地震から1週間程度は同じ規模の大きさの地震に注意して欲しいと呼びかけています。

■地下の「流体」との関連は? 能登半島の沖合にある活断層は?

地震の翌日に開かれた、政府の地震調査委員会(臨時会)後の会見では、「流体」との関連については分からないと述べています。一方で、産総研の調査では能登半島周辺に海底活断層の存在が明らかになっていて、能登半島の珠洲市の沖合にも活断層があるとみられてます。今回の地震の震源に近い場所です。地下の「流体」による地震活動が、断層を刺激したのか? 現時点では分からないとしています。

■能登半島周辺で相次ぐ地震――

能登半島の沖合では、1993年にもマグニチュード6.6の地震があり、けが人が30人出ています。2007年の能登半島地震では、海底の活断層が地震の原因とされています。能登半島では、これまでにも被害を伴う地震が多く発生しています。

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